フルーツダイエット
「りんごダイエット」や「バナナダイエット」など、果物を主としたフルーツダイエットはよく知られています。それぞれの果物ごとに特徴はありますが、果物には全般的にダイエットに適した食材と言えそうです。

例えば、水分を多く含んでいるという点。水分が多いということは余計なカロリーを摂取することなく満腹感が得られ、食べ過ぎを防いでくれます。→たくさん食べるのを防ぐ方法

また、野菜と同様に食物繊維を豊富に含んでいる点もポイント。食物繊維は消化されにくいうえ、胃の中で水分を吸収しふくれるため腹持ちも良くなります。

よく知られている通り便通を良くする効果もありますが、ただ排出を促すだけでなく余分な脂肪を吸着する働きもあり、まさにダイエットには欠かせない成分と言えます。

そして、カリウムを豊富に含んでいるのも特徴。カリウム自体には体脂肪を減らすようなダイエット効果は認められていません。しかし、利尿作用があり、むくみの解消には最適です。

果糖も糖であることに変わりはありません。しかし、だからといって「果物=太りやすい食べ物」ではありません。果糖は砂糖やブドウ糖より血糖値が上がりにくい糖です。→血糖値とダイエットの関係について

さらに、果糖だけではなく、クエン酸や食物繊維などと一緒に体内に入るため、食べた直後の血糖値の上昇がゆるやかです。クッキーやケーキに比べれば、ずっと太りにくい食べものと言えるでしょう。太るリスクより、豊富な栄養素によるメリットのほうがずっと大きいので、「果物は太る」などと心配しないで、しっかり食べましょう。

何より野菜よりも好き嫌いなく食べられるというのがメリットではないでしょうか。果物が大嫌いという人は、あまりいないと思います。ほとんどの人は果物が好きだと思います。

それも、そのはずです。人間の祖先は果物を食べて生きていたフルータリアンだったからです。そして果物こそ、人体の構造・機能上、すんなりと受け入れることができるだけでなく、浄化力・治癒力・機能維持力のすべてを与えてくれるのです。砂糖やデンプン質食品と違い、果物は独自の消化酵素を持っているので、熟したときには消化が済んでいる状態なのです。

体内に入ると同時にブドウ糖の形になることから、胃で消化される必要がなく、胃には30分くらいしか留まっていません。

果物は人間が最高の健康状態を保つために必要なものを、どんな食品よりも完璧に与えてくれます。浄化のための水分を豊富に含み、組織の中に有毒な老廃物をまったく残さず、消化のためのエネルギーを必要としない、人間にとって完璧な食べ物なのです。


果物のダイエットは様々存在していますが、旬な果物を食べることでもダイエット効果があります。 果物自体が水分が多いのでカロリーを増すことなく満腹感を得ることができるのでダイエットには最適です。

さらに旬のものですとその季節に必要な成分が摂取できることがありますので、季節に合わせた果物を食べることをおすすめします。 ほとんどの果物にはビタミンやミネラルなども豊富に含んでいますのでダイエットだけではなく健康にも良いと言われています。 さらに食物繊維も含まれていますのでお通じの改善にも役に立ちます。→食物繊維とダイエットの関係について

●食物繊維が豊富なフルーツランキング
順位 果物名 g
1 ゆず 6.9
2 アボガド 5.3
3 グァバ 5.1
4 レモン 4.9
5 キンカン 4.6
6 ブルーベリー 3.3
7 渋柿 2.8
8 梅(生) 2.5
8 キウイフルーツ 2.5
10 パパイア(未熟) 2.2
11 イチジク 1.9
11 プルーン 1.9
11 西洋梨 1.9
14 アンズ 1.6
14 甘柿 1.6
14 すもも 1.6
14 ビワ 1.6
18 パイナップル 1.5
18 りんご 1.5
20 いちご 1.4
20 サクランボ 1.4



いちじく 画像
食べるとやわらかくて甘く、ほんのり香りがするいちじくは夏から秋にかけて市場に出回ります。 鮮度が落ちるのが早いので生で食べるほか、ケーキやジャムに使われたり、乾燥して利用されることも多く、食物繊維が豊富なので便通がよくなり、美容にも効果があるといわれています。

漢字で書くと「無花果」ですが、実際には果肉の内部に白い小さな花が密生しています。栄養成分は、カリウムが100gあたり170mg含まれるほか、カルシウム26mg、リン16mgなどミネラル分が多いのが特長です。

また糖質はブドウ糖や果糖が14gほど含まれています。リンゴと同じように食物繊維のペクチンが多く含まれ、生体に有害な活性酸素を中和させる抗酸化作用があるほか、腸に入ると乳酸菌の発酵を促し、大腸菌などの繁殖を抑制するなどの働きがあり、結果的に血糖値やコレステロールも下げるというはたらきがあります。→コレステロールを改善させる方法

肉料理との相性が良く消化を助ける
いちじくに含まれているペクチンは、モモやリンゴの3倍前後、ブドウの約6倍含まれ、セルロース(繊維質)はつがるの約2倍、ブドウの20倍近く含まれています。 食物繊維が豊富にあるため、消化性がよく通じがいいなど健康維持のサポートに最適です。

果肉の赤い部分に含まれるポリフェノールは、赤ワインと同じように抗酸化作用があり、おまけにフィシンというたんぱく質分解酵素があるため、肉を食べた後にいちじくを食べると肉の消化を助けるなど、ポピュラーな果物中でも非常に健康にいい果物といえるのです。


柿の画像
柿ダイエットとは、柿を食べるダイエット方法です。柿にはダイエットに効果のある成分は沢山含まれています。まず食物繊維のペクチンです。

柿に含まれているペクチンはほとんどが水溶性のもので、ペクチンはコレステロールの吸収を抑える効果があります。次にポリフェノールの一種であるタンニンです。タンニンは血流を良くして新陳代謝の働きを良くしてくれて、体の中にある悪玉菌や老廃物の排出を促してくれる効果があります。

それからベータカロチンも豊富に含まれています。ベータカロチンは強い抗酸化作用があるので、体内の酸化を防いでくれたり肌荒れを防止してくれる効果があります。

またビタミンCも豊富に含まれているので、ベータカロチンと同じような効果があります。柿ダイエットのやり方は、柿を朝食に食べたり間食に食べるとダイエット効果が得られます。とても簡単なダイエット方法なので、柿が旬の時期の秋にダイエットをしたい方におすすめです。


栄養価の高い干し柿
栄養成分は、生の柿では100g中、カリウム170mg、ビタミンC70mgのほか、食物繊維の1.6gが目立ちます。干し柿になるとカロテンが1400μg、カリウムが670mgにはね上がり、食物繊維も14gと飛びぬけて多くなるのが特徴です。

また糖分(15~20%)のうち約8割がショ糖で残りはブドウ糖と果糖。干し柿になると糖分は約70%にものぼります。よく、干し柿に白い粉がついていますが、これは果肉から染み出たブドウ糖が結晶化したもので、良質な天然の甘味料として菓子、漬け物、料理などに利用されています。→甘味料の詳しい説明

日本で最も体に良いと言われる果物
柿にはビタミンCやカリウム、食物繊維のほかカロテン、ポリフェノールなども豊富で、日本産の果物では最も体によいものの一つです。このため生活習慣病やがん予防、老化の抑制などの働きがあります。さらに柿独特の渋味のもとであるタンニンは、胃腸の粘膜の炎症を治したり、血管の強化、利尿作用などがあり、酒酔い防止効果にもつながるのです。
また柿の葉には、ビタミンCが100gあたり300~500mgも含まれており、これはイチゴやレモンの5~6倍なのです。


グァバ 画像
最近輸入が増えているトロピカルフルーツの代表格であるグァバを利用したダイエット方法です。

日本では馴染みがない果実で食べるチャンスはあまりありませんが、緑の小さなリンゴぐらいの大きさで、梨のような食感です。ビタミンCが飛び抜けて多いため美容などにいいとされていますが、最近はグァバの葉が血糖値の上昇を抑え、糖尿病の予防効果があるとして注目されています。→糖尿病の症状や予防について

グァバの最も特徴的な栄養分は、ビタミンCで、多いといわれるレモン(全果)のほぼ2倍もの含有量があります。100g中、ビタミンC220mgのほか、カリウム240mg、リン16mg、カロテン600μg、食物繊維5.1gなどが多く含まれているのが特徴です。

日本では生で食べられるケースは少なく、主にグァバジュースとしての消費されることが多いようです。

糖尿病の予防に
グァバの葉で作られたグァバ茶は糖尿病の予防になるなどとして、沖縄などで民間療法薬として消費されているようです。グァバの葉には、食物繊維のほかポリフェノールが豊富に含まれていることも明らかになっています。

専門家によると、グァバ茶にはミネラル分やビタミンCが多いだけでなく食物繊維が多く、これに加えポリフェノールもコレステロールや糖の吸収を抑制する働きがあります。
このため、軽い糖尿病ならば、進行を抑える効果があります。
美味しい食べ方としては生のグァバは甘味も酸味もあまり強くなくシャキシャキしていて、ジュースやジャムとして広く利用されています。



グレープフルーツ 画像
グレープフルーツの歴史は他の果物に比べて新しいのはご存じでしたか?ブドウ(グレープ)とは似ても似つかないグレープフルーツが、日本市場に登場してきたのは、比較的最近のことで、実がブドウ(グレープ)のようにまとまってなっていることから、グレープフルーツという名がつけられたのです。

その後米国へ持ち込まれ、風邪などに効くとして消費が急増しました。今や米国では最も消費量の多い果物だがこれは体にいいという調査が相次いで発表されたこともある。例えば、米国食品医薬品局が、繊維質を多く含み低脂肪の果物や野菜が心臓病の危険を減らせると発表したことから、米心臓協会が繊維質の多いグレープフルーツとその果汁を積極的に摂取するよう推奨しているという背景もあります。

ダイエットにも最適な果物
専門家によると、グレープフルーツの特長はビタミンCの豊富さにあります。100g中約40mgも含まれていて、果物の中でも目立って多いのが特徴です。このビタミンCは、細胞の老化を防ぎ、鉄分の吸収をよくして、血管の老化を防ぐなどの働きがあり、心臓病や脳卒中の防止につながるというのです。

また葉酸などビタミンB系の栄養素も多く、グレープフルーツ半分でも一日の必要量の栄養分はとれると言い、そのせいか最近はグレープフルーツダイエットが若い女性の間に広がっているのです。 最もポピュラーな美味しい食べ方は真横に半分に切ってスプーンですくいながら食べる方法で、グレープフルーツのジューシーさを逃すことなく食べられるのがポイント。

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ココナッツ 画像
南国の海岸風景を象徴するヤシですが、ココヤシになる実がココナッツです。その果実水(旺乳)がココナッツミルクで、トロピカルフルーツの輸入拡大とともに、日本人にもすっかりおなじみになってきました。美容にいいなどの効果があり、ココナッツミルクからできるナタデココとともに若い女性には人気の健康食品です。

栄養成分をみるとココナッツミルクの場合、100g中、カリウムが230mgと目立つほか、リン、カルシウム、ナトリウムがともに2mg、マグネシウム6mgとミネラル分が豊富です。脂質分は多いように思われていますが実際は0.1gと少ないです。

低カロリーのため、ダイエットにいいとされています。カリウムが多いため、高血圧の人にいいほか、ミネラルたっぷりで、疲労回復や美容にもいいとされています。南国の健康食として人気があるのもうなずけます。

腸にやさしいナタデココで美味しく痩せる
ところてんのようでいながらコリコリした歯ごたえのナタデココは、ココナッツミルクにナタ菌を作用させて作ることができます。このナタデココは、デザートやヨーグルトなどに多く使われていますが、これが血中コレステロールを低下させたり、腸内細菌の発酵を調節する作用があるなど、大腸がんなどの予防効果があることがわかってきました。

ラットに与える餌の重量の10%分をナタデココにして約1ヵ月間与えると、血中コレステロールが標準食の摂取時に比べて約7割に抑さえられ、糞の重さも約5倍に増えたということです。 ナタデココのセルロースには、すき間がたくさんあり、その水や栄養素を吸収したまま、大腸に持ち込み、バクテリアの発酵作用で、腸内環境をよくし、大腸が健康になるのです。 美味しい食べ方として、ココナッツミルクは牛乳と同じように飲用されたり料理の調味料としても利用されます。ナタデココは、フルーツポンチなどに入れたり、デザートへの利用が多いです。→腸内環境を整えて痩せる方法


ざくろ 画像
はじけた果皮からのぞく赤い実。見た目にはいかにもおいしそうだが、実際に食べてみると、酸っぱくて食べられる部分が少ない。女性ホルモンが含まれていることから、女性の体にいい果物として知られるようになっています。

歴史的にも古代ペルシアの時代からざくろは更年期障害、骨粗霧症など女性に多い障害を予防する食べ物として珍重されてきました。 その一番の元になるのが、ざくろの種子に多く含まれているというエストロゲンという女性ホルモンの一種。含まれている量は種子1kgあたり17mgと微量ですが、このホルモンの働きで、コレステロールが下がったり、高血圧を防いだり、骨粗霧症の予防にもなるという素晴らしい果物です。

生活全般的に改善効果が期待できる
ざくろは「生命の果実」ともいわれてきました。これを飲むことで男性の抜け毛が抑えられたり、前立腺肥大の予防になったり、男性にも効果があります。また中には、不妊症が治ったという女性もいる。 ざくろが骨粗議症の予防にいいことや、うつ病を改善することを、マウスを使った動物実験で確認されています。さらにざくろエキスには内臓脂肪と体重の減少や、アルツルイマー病の予防といった効用もあるということで幅広く生活の改善効果があります。

食べ方としては生で食べるのが一般的ですが、完熟した果実をしぼり、果汁に砂糖を加えると、カクテルにも使われる天然の清涼飲料「グレナディンシロップ」も作ることができます。


シークワーサー 画像
沖縄県は長寿で知られていますので、沖縄の食材に何かヒントがあるのかもしれません。ウコン、ゴーヤ、シークワーサーなど独特の食べ物が体にいいのかもしれない。特にカボスに似た柑橘類のシークワーサーは、カリウムなどの栄養素が豊富に含まれており、血圧や血糖値の上昇を抑える作用があるなど、健康にいいことがわかってきました。

シークワーサーは沖縄地方の言葉で「シー」は「酸っぱい」、「クワーサー」は「漬ける、洗浄する」という意味で、「ヒラミレモン」とも呼ばれています。果肉はかなり酸っぱく、レモンなどのように飲用果汁とし地元民に広く消費されています。

また地元民に糖尿病が少ないという報告もあります。高血圧または糖尿病を自然に発症するラットに、シークワーサー果汁を体重1kgあたり1mℓ投与すると、約1ヵ月後には血圧の上昇や血糖値の上昇を抑制する効果がありました。またシークワーサーに特に多く含まれるフラボノイドの一種ノビレチンやタンゲレチンを使って同じ実験をしたところ、同様な結果が出たことで効果が期待できます。

血糖値を下げるのに有効
動物実験だけでは人への有効性がわからないため、健康な人に、1日あたりシークワーサー4個分のペーストを10日間、毎食後デザートとして与えたところ、平均血糖値が血液100CCあたり92mgから88mgに下がり、血圧も下がるという結果が出ました。

ノビレチンやタンゲレチンの含有量を柑橘類について調べると、ノビレチンはウンシュウミカンが100mℓ中0.02mg、オレンジが0.17mgだったのに対し、シークワーサーは1.23mgと飛びぬけて多いことがわかりました。またタンゲレチンについてもウンシュウミカンやオレンジに比べて10倍以上も多かったのです。 食べ方は夏から冬までと収穫時期期が長い秋ごろまでは酸味が強いため、生食には向かないが、カボスやスダチのように、焼き魚や野菜などいろんな料理に果汁をしぼって食べるとおいしいです。


スイカ 画像
暑いときには、冷えたスイカのおいしさはたまらない。水分たっぷりの食感は夏ならではの果物です。約90%が水分とされ、カリウムが多いことから、昔から利尿効果があって腎臓病にいいといわれてきました。また、カロテンも多いほか、最近の研究でトマトに多い色素のリコピンが含まれていることがわかっています。

最も生産量が多いのは熊本県で、千葉、山形、鳥取、茨城、北海道などが続いています。果肉の色には赤、黄色、淡黄色がありますが、ほとんどが赤です。栄養面でみると、カリウムが100g中120mgと目立って多く、利尿作用があって、体のむくみをとったり、高血圧にもいいといわれてきました。また水分が多いため、体を冷やし、疲労回復効果もあります。 またアミノ酸の一種システィンが含まれ、メラニンの生成を抑制して肌の細胞を保護し、しみ、しわなどを予防する美容効果があるといわれています。→アミノ酸ダイエットの方法

生活習慣予防にも効果あり
最近注目を集めているのは、カロテノイドの一種であるリコピンです。 専門家によると、リコピンは抗酸化作用があり、生活習慣病の予防に効果があるといわれる。さらに疫学調査などによって、がん発病を低下させる結果が出ており、なかでも肺がん、子宮がんなどの発症予防に効果があることがわかったという。 スイカのリコピンの含有量はトマトほどではありませんが、コレステロールの合成を阻害したり、悪玉コレステロールを分解するなどの作用があって、心臓病予防にいいこともわかっています。


パイナップル 画像
水分がたっぷりのうえ甘く、適当に酸味もあり、食欲がなくなる夏場には格好のおいしい果物のパイナップル。ハワイやフィリピンからの輸入量が増え、比較的安く買えるため食卓にあがる機会も多くなってきました。たんぱく質を分解する酵素も含まれていて、肉をやわらかくすることから、酢豚などの料理にもよく使われるパイナップルです。 パイナップルは、果実の形が松かさ(パイン)に似ていて、リンゴ(アップル)のような味がすることから名づけられました。

栄養面でみると、果肉100gあたり、カリウムが150mg、ビタミンCが27mgなどが多い栄養素です。また食物繊維やビタミンBも多く含まれており、新陳代謝を促進し、疲労回復にも効果があります。 パイナップルに特長的なのは、プロメリンというたんぱく質分解酵素を含んでいることです。この酵素は肉をやわらかくする働きがあり、酢豚、ハンバーグなど肉料理に一緒に使用されます。ただし熱に弱く、60度以上に加熱すると、たんぱく質を分解する働きがなくなってしまいます。また缶詰のパイナップルも高温処理してあるため、効果がありません。 プロメリンは腸内の腐敗物を分解する働きもあり、下痢、消化不良など消化器系の障害にもいいほか、気管支炎など、のどの病気にもいいといわれています。

バランスのとれた食べやすい果物
パイナップルの研究をしている専門家によると、パイナップルのカロリーは100gあたり58Kcalで、バナナの80Kcalと比べても低く、ダイエットにも向くということです。さらに含まれている酸をみると、クエン酸とリンゴ酸の両方があるのが珍しいといい、バランスのよい酸味につながっているとしています。ビタミンCも絶対量では柑橘類に比べて少ないのですが、食べる量を考えると、パイナップルのほうが摂取しやすいともいえます。

また、パイナップルの特長は、いくつかの小果が集まってできた複合果で、これはイチジクと同じ。そのため、一部の果肉を食べただけでも数十個の小果を食べたことになり、栄養的にもいいようだ。 総合的に見ても、パイナップルの栄養素には問題点がなく、バランスのとれた食べやすい果物といえるでしょう。


バナナ 画像
季節感とは無縁で一年中店先にある果物の代表といえばバナナではないでしょうか。手軽に皮をむいて食べられるため、スポーツの後や間食にはうってつけの果物として定番です。水気は少ないが食物繊維は多く、消化にはいいようです。

栄養面でみると、カリウム、マグネシウムのほかカロテン、食物繊維などが豊富で、高血圧によいほか、胃腸の調子をよくして便通にもよいです。胃などにやさしく消化にもいいため、乳幼児の離乳食にも利用されています。さらにバナナのエネルギーには、即効性と持続性があるため、スポーツをするときなどにもよく利用されている果物です。

1日1本のバナナで健康維持ができる
紫外線による脂質の酸化に対する抑制作用などを実験することで抗酸化作用を調べた結果、バナナの量が多いほど抗酸化作用が強く、緑茶とほぼ同程度だったというデータがあります。これは、利尿、血圧上昇などの作用がある医薬品として使用されているドーパミンが、ポリフェノールの一種として含まれているためと判明しました。

その他にもフィリピンの高地で栽培されている「スイーティオバナナ」が普通のバナナに比べて、3倍も血糖値を下げる効果があることが発表されました。さらに、悪玉コレステロールを抑制する働きもあり、動脈硬化や冠動脈疾患など循環器系の病気予防にもいいことがわかっており、健康維持のためにはバナナを一日1本程度食べればよいとされています。今や果物の中では比較的安く入手でき、しかも手軽に食べられるだけに、利用価値はありそうです。

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パパイヤ 画像
洋ナシに似た黄色のトロピカルフルーツ・パパイアが日本の食卓に上がるようになったのは最近のことです。あまり酸味は強くないですが、ビタミンCが豊富のほか、食物繊維、抗酸化物質のポリフェノールや、肉をやわらかくする酵素も含まれており、生で味わうだけでなく、料理にも使える果物なのです。

ビタミンCの含有量は、100gあたり50mgと、カキ、キウイ、イチゴと並んで果物ではトップクラス。このため細胞の老化を防いだり、メラニン色素の沈着を防ぎ、しみや、そばかすの予防にいいとされています。

また心疾患によいとされる葉酸も多いのが特徴です。 食物繊維も100g中22gで、食物繊維が多いといわれるバナナの2倍も含まれており、大腸がんの抑制のほか、生活習慣病といわれる糖尿病や高脂血症の予防に効果があります。 またパパイアは熟すと果肉がオレンジ色になってくるが、これはカロテノイド色素のせいでポリフェノール類のβカロテン、リコピンなどが含まれていて、こうしたポリフェノール類は、抗酸化作用があって、がんの抑制効果もあるといわれます。

もっとも脂肪分解力が強い
パパイアの脂肪を分解する力を調べるため、パパイアの果肉をミキサーですりつぶし、ろ過した後、サラダ油など四種の油と混ぜて脂質分解酵素(リパーゼ)の活性度を測定した。さらにパイナップル、リンゴなど五種の果物とも比較した。

その結果、脂肪分解の度合いを遊離した脂肪酸量で調べた結果、どの油でもパパイアが一番脂肪分解力が強いことがわかりました。これはサラダ油や肉料理などと一緒にパパイアを食べた場合、脂肪の分解を促進し、消化を助けることを意味するというのです。 さらに、同様に果肉をすりつぶしたあと、ろ過したものを使い、各種酵素の活性測定実験を行った結果、血管中の血栓(血のかたまり)を溶解する酵素(プラスミン)が存在する可能性があることがわかりました。


ぶどう 画像
味覚の秋になると、果物屋の店先には色とりどりの果物が並びますが、なかでもブドウは人気があり、種類も多いうえ、栄養面でも糖分や食物繊維が豊富で、疲労回復、低血糖などに効果があるといわれています。特にブドウから造られる赤ワインはポリフェノールが多く、心臓病などの予防によいとされます。

最近は食べやすい種なしブドウが多くなったので、皮をむいて食べる人が多いのですが、果皮部分にはポリフェノールが多く含まれており、できるだけ皮のまま食べるようにしたい。また果皮には血液凝固抑制作用があり、これらの効果は干しブドウ(レーズン)を食べることで得られます。干しブドウは鉄分などミネラルが豊富で、貧血などによいうえ、エネルギーも高いのが特徴です。

ポリフェノールの効果が高い
ポリフェノールとは多価フェノールのことでベンゼン環に水酸基(OH)が複数結合した化合物の総称。植物中に多く含まれ、イチゴやブドウに含まれるアントシアニン、お茶の渋み成分のタンニンなど数千種類もあるといわれる成分です。バナナ、マンゴー、ブルーベリー、ブドウなどの果物のほか、カカオ(チョコレートの原料)などに多く含まれています。

心臓病や脳卒中は、動脈硬化からくるものですが、その原因は、血液中の悪玉コレステロールが活性酸素に酸化されることによって起きます。ポリフェノールは抗酸化作用があって、この悪玉コレステロールの酸化を防ぐ働きがあるのです。 活性酸素は、動脈硬化だけでなく、心筋梗塞、がん、糖尿病など、あらゆる病気の元凶といわれています。ポリフェノールを豊富に含む果物などを食べれば、こうした危険を少しでも減らすことができるでしょう。


みかん 画像
グレープフルーツやオレンジなど海外から柑橘類が豊富に輸入されるようになって、ミカンの消費量も下降傾向をたどっています。ミカンの発がん抑制効果などをもとに、消費の挽回に力を入れていますが、ミカンが心臓病、糖尿病などいわゆる生活習慣病の防止にもいいことがわかってきました。

年代別にみると、50歳以上では半数以上が毎日食べている一方で、20~40歳代では半数以上が一週間に2~3個以下しか食べておらず、若年層のミカン離れが明らかになっています。ちなみに、ミカン産地以外の地域も含めた日本人の平均摂取量は一週間で2~3個です。 病気の催患率についてみると、最も多かったのが高脂血症で28.8%、高血圧15.7%、糖尿病5.5%、心臓病2.9%の順で、いわゆる生活習慣病が多かったです。

ミカン摂取量と病気の催患率との関係を、ミカンの低摂取群(週に2~3個以下)、中摂取群(毎日1~3個)、高摂取群(毎日4個以上)に分けて調べた。それぞれ、低摂取群を100とすると、糖尿病は中が70、高が48、心臓病は中が77、高が59、痛風も中76、高が57、高血圧も中が89、高が77とそれぞれミカンの摂取量が高いほど、催患率は低いとうデータがでました。結果からミカンに生活習慣病に対する予防効果があることがはっきりしたとしています。

食べ過ぎると肥満や糖尿病につながる?
このように、ミカンには発がん抑制効果があったり、生活習慣病を防ぐなどの効果があるのに、消費の伸びは、リンゴなどと同様に頭打ち状態です。その原因の一つに「食べ過ぎると肥満や糖尿病につながるのでは」という先入観があるようなのです。ミカンの糖分は100gあたり10g。ショートケーキ100g中には、糖分48.3g、脂質13.2gも含まれており、ミカンの総カロリーはケーキの約10分の1なのです。まさに太りにくく健康になる食品と言えるでしょう。

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もも 画像
淡いピンクの産毛におおわれた、上品なモモ。食物繊維が豊富で、消化にいいなどといわれているが、モモに含まれている何が健康にいいのかなどは、はっきりしないところが多かったのですが、最近の研究で徐々に判明してきているようです。

市場に出る品種は「白鳳」「白桃」「あかつき」「黄金桃」など約100種にのぼります。 栄養成分をみると、100g中、カリウム180mg、リン18mg、食物繊維1.3gが筆頭です。

血液中の糖を処理する能力が高くなる
長野県でもJA(農協)と農林水産省四国農業試験場などと協力、モモなど五つの果物について機能性成分調査をした。 モモ、リンゴ、プラム、ブドウ、アンズの果肉からの抽出物を使い、「糖・脂質代謝の活性化とインスリン感受性」を調べた結果、モモが最も細胞分化を促し、小さな新しい脂肪組織を作り出し、代謝を活発に行ってインスリンの働きがよくなり、血液中の糖を処理する能力が高くなることがわかりました。

これは糖尿病や高脂血症を防ぐ体質改善の作用が高まることを意味しています。 このほか、モモには水溶性食物繊維のペクチンが多く含まれていて、血行をよくし、便秘も改善するという作用があります。さらにカテキン、クロロゲン酸、フラボノイドなどのポリフェノール類があって、抗酸化作用や、がん抑制効果があるといわれています。


りんご 画像
りんごが赤くなると医者が青くなると言われ、最近の研究では中性脂肪を減らしたり、血圧を下げたりなどさまざまな効能があることもわかってきました。日本人にとって、ミカンと並んで最も消費量が多い果物でもあるのが特徴です。

りんごの中の水溶性食物繊維のペクチンは腸の中の状態を整えてくれ、善玉菌を増やして、悪玉菌減らし、便通を良くしてくれるので、ダイエットには嬉しい果物です。さらにカロリーが低めであることもダイエットに適した果物であると言えるところです。又、りんごのペクチンは加熱することで、悪玉菌を外に出す効果が2倍になるので、この特性も活かして老廃物を取り除き、スッキリとした体になることが可能です。

中性脂肪を減らしてダイエット
栄養分としては、カリウムなどのミネラル分のほか、食物繊維、ビタミンCなどが含まれています。 茨城県つくば市にある独立行政法人・農業技術研究機構果樹研究所がこのほど行った研究で、りんごを食べると血液中の中性脂肪が減ったり、腸内の悪玉菌が減るなどの効果があることがわかりました。

それによると、30~57歳の14人に一日あたり1.5~2個のりんご(ふじ)を食べてもらい、三週間後にその変化を調べたところ、血液中の中性脂肪が平均21%減少したほか、血液中のビタミンC含量が平均34%増加しました。また、腸内の悪玉菌が減ったり消失したり、その一方で善玉菌であるビフィズス菌が7割以上増えたデータもあります。さらに便通がよくなる(排便回数と水分含量の増加)などの好結果があったというのです。

中性脂肪は、食物に含まれる脂肪分で、体内に過剰に取り込まれると、善玉コレステロールを減らし、悪玉コレステロールを増やして高脂血症や動脈硬化などいわゆる生活習慣病を引き起こす原因。また、肥満の原因にもなるのでりんごはダイエットにも効果的です。

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レモン 画像
夏に向かって食卓を彩る薄黄色のレモン。その涼しげな色合いは、香りとともに食欲をそそります。果肉は酸っぱすぎるため、果汁にして食べるのが普通です。その果汁には、抗酸化作用がある栄養分が多く含まれていることがわかってきました。オリーブオイル、塩、こしょうなどと混ぜてドレッシングをつくり、さまざまな料理に使えるので用途が広いです。

注目される抗酸化作用
悪玉コレステロールといわれるLDLコレステロールを酸化するなど、動脈硬化を引き起こす原因物質とみられています。脂肪分の摂取が多いのに動脈硬化の患者が少ない地中海地方の人たちは、赤ワイン、オリーブオイルの他、レモンをたくさん食べていることがわかっています。

レモン果汁にはビタミンC以外の抗酸化物質が含まれているのではと考え、レモンに含まれているエリオシトリンというポリフェノールに着目し、試験管を使ってレモン果汁、ビタミンC、ポリフェノール添加液で抗酸化力を調べたところ、やはりポリフェノールに、ビタミンCとほぼ同等の抗酸化力があることがわかったのです。ポリフェノールは赤ワインやココア、お茶などにも多く含まれている。これらを積極的に飲むほかに、レモンを使った献立を取り入れることなどで、血管を強化し動脈硬化を防ぐことにつながると考えられています。

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