増え続ける糖尿病患者
糖尿病について
現在、日本にはどれくらいの糖尿病患者がいると思いますか?
人口の2%にあたる約200万人以上の糖尿病患者が潜在的にいるといわれており、糖尿病になる体質をもっている人は、日本人の中に600万人以上いるはずだといわれています。予備軍まで含めると2000万人は糖尿病の気配が疑われるというデータがあります。

厚生省から発表された「患者調査」による、病院での受療率は、高血圧症、脳血管疾患、がん等に次いで治療を受ける患者の多い、成人病のひとつなのです。

糖尿病には、いくつか種類があるのですが、成人病として人々に恐れられている糖尿病は、正式にはインスリン非依存型糖尿病、あるいはⅡ型糖尿病と呼ばれています。インスリンというのは、膵臓から出るホルモンの一種で、体を動かすエネルギー源であるブドウ糖を細胞内に取り込むときに、大切な働きをします。

インスリン非依存型糖尿病は、この体にどうしても必要なインスリンの分泌能力が、生まれつき弱かった人に起こります。こういう人が、運動不足やカロリーの取りすぎでインスリンの分泌能力をさらに低下させると、糖尿病を発病します。

日本人の糖尿病患者は、ほとんどがこのタイプといえます。Ⅰ型はもともと生まれつき体内にインスリンと言うホルモンが作られないかない状態なので一生インスリン注射で補わなければなりません。


糖尿病に生まれつき体質的になりやすい人がいます。
患者の両親や親戚など血縁者を調べてみると、やはり糖尿病の人が多く、確かに糖尿病には遺伝の要素があることがわかります。

とくに、インスリン非依存型糖尿病は遺伝の要素が大きくなっています。親が糖尿病であれば、そのこどもは約50%の確率で、やはり糖尿病にかかるといわれています。片親が糖尿病であればほぼ25%の確率で発病し、両親とも糖尿病でなければ確率は1%以下に下がるといわれています。

しかし生まれつきの要素が強いとはいっても、50%の確率ですから、「両親が糖尿病だから、その子どもも必ず糖尿病になる」というわけではありません。また、両親が糖尿病ではなくても、子どもが糖尿病にかかることもあり得ます。なぜならば、糖尿病は遺伝のみによって発病するわけではないからです。

糖尿病にかかりやすい体質は遺伝しますが、それが発病し糖尿病になるかどうかは、その人の育った環境が直接的、間接的に大きく影響します。
糖尿病を引き起こす背景としては、次のようなものが考えられます。
①太りすぎ
②ストレスの増加
③高年齢



糖尿病の症状は個人によって違います。たとえば、一般には、太っている人が糖尿病ではないかと気にしますが、糖尿病は進行すると、むしろやせることのほうが多いのです。

糖尿病に、2つの種類があることは、前に触れました。子どもに多いインスリン依存型糖尿病では、ある日突然、のどがかわいたり、尿量が増加したり、やせ始めたりするなどの自覚症状があります。

①尿量が多い
1回の尿量が多くなり、昼も夜も関係なく回数が増えます。そして、そのたびに水が欲しくなります。1日に2000ミリリットル以上、すなわち牛乳パック2本分もの尿が排出されるようになります。

②のどがかわく
激しい場合は夜中に何度も起きて、水を大量に飲みます。糖尿病の症状の中ではいちばん自覚しやすいものです。水をガブガブ飲みたくて、どうしようもなくなります。手元に常に水を入れたポットを置かないと困るという人もでてきます。

そのため、「のどがかわいてしょうがないが、自分は糖尿病ではないか」といって病院に来る人が多いのです。糖尿病の場合は、一度に飲む水の量が増え、とくにジュースなどより水がおいしく感じられます。
健康な人の1日に飲む水の量が1リットルくらいなのに対し、糖尿病患者は2リットル以上です。

③体がだるく、疲れやすい。
尿の中には、糖だけでなく、大事な筋肉や骨が溶けて出て行きます。また、細胞や筋肉の働きと関係の深い食塩などのミネラルも尿に出てしまいます。
このため、に回る血液量が減り、頭がボーっとしたり、だるくなったりします。


④食欲がありすぎるが痩せてくる
いくら食べても、自分の空腹感をおさえられないくらい、食が進みます。「甘いものが欲しくてたまらない」という人もいます。
たくさん食べれば太り、太ればさらにインスリンが不足します。インスリンの不足によりエネルギーが足りず、そのため、ますます食欲が出てくるという悪循環です。

糖尿病は、インスリンというホルモンが十分でないか、十分であっても体の細胞がうまく利用できない状態のことです。

体が活動していくためには、エネルギーが必要です。それを、私たちは、食物を取ることによって得ています。食物中の糖類は、ブドウ糖という糖の1種に変えられて、血液中から体に吸収される仕組みになっているのです。インスリンは、ブドウ糖が体の細胞に取り込まれる際に重要な働きをしています。

ところが、そのインスリンが欠乏したり、作用が不足すると、私たちの体はブドウ糖を使えなくなり、ブドウ糖は血液中に蓄えられて、やがて尿中に排出されます。尿の検査で糖尿病が発見されるのはこのときです。

糖尿病をよりよく理解するためには、このインスリンの働きを知らなければなりません。また、その前に、インスリンの働きを理解するには、人体が食物を栄養に変える仕組みを知っていたほうがよいでしょう。


尿糖の検査
尿糖というのは、尿に排出されているブドウ糖のことです。普通、腎臓は血液中のブドウ糖を体内の老廃物である尿素やクレアチニンなどと一緒に濾過し、さらに、有益であるブドウ糖は尿細管という腎臓の中の一器官で再吸収し、血液に戻します。

糖尿病の場合には、この最後に吸収し、血液に戻すときに、ブドウ糖の量が多すぎてすべてを回収しきれません。したがって、洩れたブドウ糖が尿に混じって出てくるわけです。

普通の人は、血糖値が160~180mg/dl程度を超えると尿から糖が出てきます。しかし、なかには生まれつき尿糖の出やすい人もいます。血糖が低くても、ブドウ糖を体内に回収しきれず、尿と一緒に排出してしまうわけです。

このほか、人間はだれでも尿から糖を出すときがあります。何日も食事をしなかったり、ストレスがあるときです。2、3日食事をしないでいると、肝臓に蓄えてあるグリコーゲンが分解されて、ブドウ糖として血液に送りこまれるからです。過度の緊張といったストレスが続いたときも、血糖値が上がり、尿から糖が出ます。

ですから、尿から糖が出たからといってすぐに糖尿病とは決められませんので、血糖の検査をして血液中のブドウ糖の量を直接調べる必要があります。尿糖の検査は、食後1時間から2時間後がよく、とくに朝食の2時間後が最適です。

血糖の検査
その人が糖尿病であるかどうかの判断には尿糖や血糖が手がかりとなります。しかし、尿糖だけでは糖尿病かどうか決定できないことは、すでに述べたとおりです。糖尿病の診断には、血糖の検査が重要な役割を果たします。

血液中に溶けているブドウ糖を、血糖と呼びます。血液中のブドウ糖は、たえず肝臓から供給され、常に一定の濃度に保たれています。
健康な人の空腹時の濃度は、90mg/dl前後です。食事をすると上昇しますが、1時間半から2時間でもとの濃度に戻ります。

ところが、糖尿病の人ですと、これが高い値を示すようになります。病状が軽いうちは、朝食前の空腹時の血糖値は健康な人と変わりませんが、食後の数値に違いが現れてきます。普通、血糖値は上がっても140mg/dlくらいですが、糖尿病初期の人でも180mg/dlくらいに上がり、なかなか下がってきません。重い糖尿病患者の場合は、この上昇がいっそう激しく、時間もより長く持続します。空腹時にも、血糖値が高くなります。糖尿病かどうか調べる際には、この血液中のブドウ糖の量を計ります。

それには、「ブドウ糖負荷試験」という検査を行います。むずかしい名前ですが、この検査は、ブドウ糖を溶かした液を飲んで、決められた時間をおいて、血糖を計るものです。誤りのない結果を得るためには、守るべき注意事項があります。

この検査を受ける前の2、3日は食事をきちんと取るようにします。検査の前日の夕食も、6時から8時ごろに取り、その後は夜食などを取ってはいけません。検査当日も、終了するまで食事をしてはいけません。水やお茶はかまいませんが、牛乳やコーヒー、ジュースや清涼飲料など糖分を含んだ飲み物もいけません。

この検査では、まず、空腹時に血液と尿を取ります。その後、75グラムのブドウ糖を溶かした液を飲みます。飲み終わったときから2時間後まで30分ごとと、3時間後に採血します。同時に1時間ごとに採尿します。この間、動きまわったり、食べ物を取ったりしてはいけません。
こうして得られた血液と尿から、血糖値と尿糖を調べます。


糖尿病の人で気をつけたい病気のひとつが肝疾患です。原因は免疫機能の異常、ウィルス感染など色々ありますが、もっとも危険なのは肝機能障害で、その中でも脂肪肝に注意が必要です。

脂肪肝になるのは食事で糖質をとると、血液中のブドウ糖が増えて血糖値が上昇していきます。それをすい臓が感知すると、インスリンを分泌しはじめます。インスリンの働きはエネルギー源となるブドウ糖を、全身の細胞に送りこむことで、どうしても余ったブドウ糖は筋肉細胞や肝臓の細胞に送りみます。

そのブドウ糖は肝臓で中性脂肪に作りかえて内臓の周辺に蓄えられます。これがメタボの原因になっているのです。さらに余ったブドウ糖は、肝臓に脂肪として蓄えられます。これが脂肪肝となってしまいます。

脂肪肝という病気は肝臓の中に、脂肪が30%以上たまってしまうことをいいます。脂肪肝は他にはアルコールの飲みすぎでも発生します。

他の内臓につくのも良くないですが、肝臓はとても働きもので、栄養分をさまざまな形に作りかえたり、有害物質を処理するなど、500以上の働きをしているといわれています。

脂肪肝になってしまうと、内臓脂肪も増えて血液中に遊離脂肪酸が増加するので糖代謝が妨げられてしまいます。

妨げられてしまうと、ブドウ糖を脂肪に作りかえる作業もとまってしまい、血液中のブドウ糖が増えて血糖が上昇していき、同時にアディポネクチンという、インスリンの働きをよくしてくれる物質が減少してしまいます。こうなると、インスリンの働きが悪くなるので、血糖値が高くなって糖尿病を引き起こしたり、悪化させてしまう原因となるのです。

糖尿病はインスリンの働きが低下して血糖値が高い状態が続くことで起こります。インスリンの働きによって、筋肉や細胞の受け皿が糖分を取り込んで利用してくれているのですが、肥満や運動不足で受け皿の働きが鈍ると受け取れなくなるので、食事を改善したり運動不足を解消する必要があります。

糖尿病を悪化させないためには脂肪肝を予防する事が大切です。とはいっても急にダイエットをすると、ダイエットによる中性脂肪不足で、肝臓は脂肪を作って蓄えてしまい、脂肪肝になってしまう場合もあります。

急にダイエットをして急激に体重を落とそうとするのではなく、自分のペースで4週間で1kgやせるだけでも、肝臓の脂肪は落とせると思っておきましょう。


糖尿病になると、食事制限が必要になるのでお酒が好きな人はやめないといけないとガッカリすると思います。
確かに糖尿病になると、食事や運動と同様に注意が必要なのはお酒です。糖尿病の人の場合は、可能であればお酒は控えたいです。

我慢していたとしても、社会人として働いていたり、付き合いの中でお酒を進められることも当然あります。お酒を我慢しすぎてストレスになっても困ります。上手なお酒との付き合いかたが大切になってきます。

ビールやワインなど、アルコール類を飲むと食欲が旺盛になると感じたことはありませんか?それは胃液分泌作用があるので、ついついおつまみなど食べ過ぎてしまって、カロリーを摂り過ぎてしまうのです。

お酒には味付けのしっかりしたおつまみを選びがちですが、そのしたものは塩分が多すぎて血圧上昇を招いてしまうので、糖尿病にも悪影響を与えてしまいます。

朗報があって、アルコール類は血糖値を上げないのです。血糖値、またはヘモグロビンA1cが高いからといって、アルコールを飲んではいけないという事ではありません。アルコールは高カロリーですが、エンプティ・カロリーといって、訳すると空っぽのカロリーということになりますが、体内に入るとすぐに燃焼され蓄積されないものなのです。

血糖値を上げるのは糖質のみなので、アルコール類そのものを飲んでも血糖値が上がることはありません。ただしカクテルや、フルーツ果汁など甘味が加えられたものは、糖質が入っているのでダメです。しかし、加味されていないアルコール類なら何を飲んでも、血糖値が上がることはないので大丈夫です。

最近は、糖質ゼロというビール風味のアルコール類が各社たくさんあります。糖質やカロリーが気になる方は、糖質ゼロやカロリーオフなどのアルコール飲料を利用してもいいでしょう。でも、糖質ゼロといってもカロリーはゼロではないので大丈夫と、安心して飲み過ぎないように気をつけましょう。

血糖値に直接作用する成分に糖質がありますが、その糖質は肝臓がアルコールを分解するために糖を使用するので、血糖値は上がるどころか、逆に下がるという現象がみられるのです。

逆に、就寝中に肝臓が血糖を作るのですが、新生の血糖もアルコール分解のためにつかっているのです。それは、アルコールを飲んで寝ると、朝の血糖値がいつもより低いからです。

カロリーはOKだけど、糖質は控えてといわれている場合、アルコールは糖質を含まない蒸留酒、つまり焼酎やブランデー、ウォッカなどです。あとは、飲んだあとに血糖値が上がらない赤ワインなどがあります。肝臓がアルコールを分解するために糖を使う事を考えると、ビールや日本酒でも構わないと言われています。

糖尿病のお酒の飲み方の注意点
糖尿病の方でもお酒は飲めますが、注意点がありますのでここはきちんと守りましょう。
・血糖コントロールの安定
・重い高血圧や動脈硬化の症状はないか
・合併症をおこしていないか
・お酒の量を管理できる自制心を持っているか
・肥満ではなく、体重管理が正しくできる

食事を取らずにお酒を飲むことだけは避けて下さい。自分自身の状態を管理できるなら、基本的にお酒を飲んではいけないということはありませんが、糖尿病に対して大きく影響を与えるので、お酒の糖質やアルコールのカロリーなどをしっかり把握し、ただ単にお酒の量を減らすだけではなく、食事の内容や運動などバランスの取れた生活管理が正しくできる場合は、お酒を飲んでもいいと考える方がいいでしょう。



砂糖が糖尿病の原因になると思われていますが、実は間違いです。
WHOは「糖類の消費が糖尿病に直接結びつくことはない」という内容の声明を発表しています。さらに、この声明では「糖類は肥満の直接の原因ではない」ということも述べられています。

つまり、砂糖では太らないというのがWHOの公式見解なのです。
砂糖は体内で分解されてブドウ糖と果糖になりますが、ブドウ糖が点滴用の栄養剤として使われているように、砂糖には衰弱した体を回復させる働きがあるのです。

脳のエネルギー源は基本的に、ブドウ糖です。脳が疲れたときにチョコレートを食べるとリフレッシュするといわれているように、短時間のうちに脳に栄養を届けたいなら、砂糖が最も効果的です。

反対に、ブドウ糖が不足していると、それを補うために肝臓が糖新生でブドウ糖をつくりはじめます。そのとき骨格筋から取り出されたタンパク質が材料として使われますが、そのために多大なエネルギーが消費されます。さらにこのとき活性酸素が大量に発生します。これを避けるためにも十分なブドウ糖を摂取しておく必要があるのです。

インスリンをつくれなかったり、利用することができなかったりすると、血液の中のブドウ糖量が増えてきます。これが血糖値が高くなるということです。血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖の量のことで、単位はmg/dℓで表します。これは、1dlの血液中に、何ミリグラムの糖が含まれているかを意味しています。

この値は食事と運動によって、だいたい80mg/dlから120mg/dlの間を上下します。食事後は食物からブドウ糖が取り入れられて、血糖値は上がります。体を動かせば、ブドウ糖は使われて減っていきます。健康であれば、食事後血糖値は上がっても140mg/dlどまりです。運動して下がっても、60mg/dlより下がることはありません。

また、健康な人の血糖値は、食後30分から1時間は高くなり、その後下がり始め、2時間でもとの状態に戻るパターンを示します。
ところが、糖尿病患者の血糖値は、簡単に200mg/dl以上に上がります。さらに、この血糖値が食後1時間たっても2時間たっても、下がってきません。
そして増えた血液中の糖分は、尿に混じって排出されることになります。

正常な場合は、血液の中のブドウ糖が細胞内に取り込まれないまま体内の循環が終わると、腎臓によってほかの不純物と選り分けられ、再び血液の中に戻されます。ブドウ糖は、体にとって大切なエネルギー源ですので、尿からは漏れて出ないようになっているのです。しかし、血糖値が高すぎる場合は、腎臓は過剰な糖分を除去しようと、大量の尿を排出します。

尿の中には捨てられた過剰な糖分が含まれます。これが尿糖です。糖尿病の症状として指摘される多尿とは、このようにして起きます。また、このとき、水分が大量に失われるので、補給するために水が欲しくなるのです。

糖尿病は、尿に糖分が出ていることから名づけられました。しかし、尿に糖が出たから糖尿病とは決められないのです。糖尿病ではなくても、緊張すると糖がでる場合もあります。

糖尿病は一度なってしまうと、完全に治すことはできません。今までの食生活により、膵臓からインスリンをたくさん出して、何とか保ってきていました。しかし、膵臓を酷使してしまい、膵臓の一部が壊れて、インスリン分泌が落ちてしまったため、現在血糖コントロールが出来にくくなっています。

つまり今までのように、膵臓からインスリンは出てくれませんので、血糖コントロールのために食事に気を付ける必要があります。
また薬を使って、血糖値が上がらないように、調整することも大切です。



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