脳の本能から痩せる思考に変化させてダイエットを成功させる方法
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ダイエットを始めてもなかなか思うように減量できないと悩むこともあると思います。それもそのはずで、人間の体は意思とは関係なく急に痩せないようにできています。
なぜなら急にやせたら人間として「困る」からです。
そもそも脂肪の役割は、人間が活動をするためのエネルギー源であり、生きるために必要な物質です。その生命活動のもととなる物質の量が減ってしまったら困るのは当然です。
だから脂肪は、急に量が少なくならないようにいつも監視されています。主に監視しているのは脳で、体の中にある脂肪の備蓄量を四六時中チェックしています。
どうしてそんなに厳しく監視しているのかというと、脂肪の備蓄がどれだけあるかを知っておかなくては活動がままならないからです。
実はからだの中で脳がもっともエネルギーを消費するところです。脳の活動は、エネルギーの残りがどれくらいあるのかを常に脂肪組織と連絡をとり、その備蓄量がどれくらい変動したかを常にチェックしているのです。
そのチェックする連絡役をしているのがレプチンというホルモンです。脂肪組織から分泌される情報伝達物質です。
レプチンは、食べすぎて体脂肪量が多くなると、食欲を抑えたりエネルギー消費を増大させたりします。
また、逆にダイエットなどで体脂肪量が減ってくると、食欲を増進させたり、代謝や発熱を落としてエネルギー消費を減少させたりするように働くのです。
つまり、脂肪が多くなったり少なくなったりしたとき、レプチンがそれを脳に報告することで元の脂肪量に戻そうというメカニズムが働くわけです。なので食事制限によって急激にダイエットをしようとすると、このレプチンがすかさず脳に報告して、脳はそれによってもっと食べろ、もっとエネルギーを取り込めというモードに突入します。
脳の本能は誰にも止められないので、痩せようと気持ちでは分かっていてもこらえきれずに食べてしまい、結局リバウンドしてしまうという流れになっています。
人間にとって大切な活動の生命線である脂肪が簡単に減ってしまわないように、さまざまな危機管理ネットワークが築き上げられています。人間のからだは複雑にできているのでレプチンは、そのネットワーク網の一部にすぎません。レプチンを介して脂肪組織と脳に情報網が形成されているように、脂肪組織は内臓や自律神経など、体のさまざまな器官との間に情報網を持っていて、常に情報交換をしています。
少しでもバランスを失いそうになったなら、それを元に戻そうとするシステムがすぐに稼働するようになっています。それをホメオスタシス(恒常性)というのですが、いつもと同じ状態で力を発揮できるということが、人間にとってはもっとも大切なことなのです。
つまりダイエットはこの機能に逆らっている行為であり、1週間で3kgなど、食事制限で体重を落とすといった行為は、体のバランスを一気に壊してしまうようなものです。ダイエットは長期的な目で自分を見つめていかないと成功しないということです。
食事で補給したエネルギーが足りているのか、からだが満足しているのかを判断するのは胃ではなくて脳なのです。
食べるときに、さまざまな感覚を用いて脳へ情報が送られています。その中でも、目で見た情報の影響も大きいのです。そのため、テレビや新聞を見ながらごはんを食べたり、仕事をしながらデスクでランチをするなど、ながら食べをすると食事の情報が脳まで行かなくなるので、脳は食事が足りていないと判断して、十分にエネルギーを摂っていても、空腹状態の信号を出してしまうので食べすぎてしまって太る原因になります。
ダイエットと脳は密接な関係があると言われています。痩せることは極端になると健康と反している一面もあり、拒食症や過食症の例にもあるように食べないと生きていけないのに、人間の本能と痩せることは一致していない場合もあります。特に脳は敏感なので小さな変化や行動がポイントとなってきます。
笑ってしまうくらい簡単に痩せられるか、涙がにじむほど苦労して努力してダイエットに失敗するか。
その大きな差は、脳がコントロールできているかどうかで決まってしまいます。
脳を「やる気」「行動力」に満ちあふれさせることで、プラスイメージがどんどん湧いてきて、思考も完全なプラス型の回路になります。このような状態をヴィゴラス脳と言います。ようするに痩せるためにはこのヴィゴラス脳で痩せる法則を実行しているか、その他の状態で痩せられない大原則を実践してしまっているかの違いなのです。
ヴィゴラス脳(=できる脳)でダイエットに取り組んでいるかどうかをチェックする質問があります。この質問に答えるだけで、その人の脳が「できる脳」でやっているか「できない脳」に陥っているかが簡単にチェックできてしまいます。
今回の質問は、ダイエット用に特別にアレンジしてあります。では、あなたの脳がダイエットに成功する「できる脳」になっているか、うまくいかない「できない脳」になっているか、ちょっと調べてみましょう。
以下の7つの質問に対してYESかNOで答えてください。
脳の状態チェック
①あなたにはダイエットの目標がありますか?
②ダイエットは必ず成功すると思いますか?
③目標のことがいつも頭にありますか?
④ダイエットに成功したら、自分以外に喜んでくれる人が他にいますか?
⑤ダイエットを成功させるために、何をしたらよいかをいつも考えていますか?
⑥ダイエットの目標達成に向けて、何か行動していますか?
⑦ダイエットに一度も否定的になったことはないですか?
7つの質問すべてに、「YES」と答えられた人は必ずダイエットに成功します。なぜなら、あなたの脳はすでに「ヴィゴラス脳(=できる脳)」だからです。「できる脳」は何でも目標を実現させてしまう"ご機嫌な脳"でもありますから、痩せる成功法則を自然と実行しているからです。
一方、この中のどれか1つでも「NO」と答えた方は、そのままではどんなダイエット法をやっても成功できません。NOの数が多いほど、意識して考え方を変える必要があります。
ダイエット成功のカギを握っているのは、あなたの脳の使い方です。あなたのイメージ、感情、思考を変えれば、ダイエットは自然と成功へと導かれます。この方法さえ知れば、成功するしかないのです。想像してみてください。ダイエットの天才たちと同じようにあなたがラクラクとダイエットに成功できた瞬間を……。
素晴らしいと思いませんか。「ダイエットに成功する法則」さえ知ってしまえば、あなたの脳は「ヴィゴラス脳=自動的にダイエットに成功する脳」になります。
じつは意識的に考えたり、判断したり、感じたりといった私たちの意識活動の領域は脳全体の5~10%しかありません。
それ以外のほとんどの行動を決めているのは、「快・不快」や「好き・嫌い」を決める扁桃核のある大脳辺縁系と脳幹を合わせた本能の反射なのです。たとえば、熱いヤカンに触れれば、誰でも思わず「熱い!」と手を引っ込めるでしょう。
この動作は、
「熱いヤカン→危ない→筋肉の収縮命令→筋肉の収縮→手を引っ込めろ」
といったように、理屈脳でゆっくり時間をかけて考えて出たものではありません。
本能的に危険を察知し、「熱い→手を引っ込める」
といったふうに、本能の反射によって反射的に出た行動です。
「火事場の馬鹿力」とよくいいます。火事が起きたとき、かぼそい女性が重いタンスを担ぎ出したり、誰かが車の下敷きになって助けようとするとき、あの重い車が持ち上がったりします。
ケーキやチョコレートのような甘いお菓子が好きな人なら、「甘いお菓子→快」ということが本能の反射にインプットされています。ですから、ダイエット中は食べてはいけないとわかっていても、甘いものを見た瞬間、「甘いお菓子→快→食べたい」と本能の反射が反応し、気がついたら食べていることになってしまうのです。
たくさんの知識を持っている人でも、バリバリの医師でも、メタボや肥満者は大勢いらっしゃいます。肥満、メタボ専門の医師でも太っている人は大勢います。
本当の危機を感じず、体験していないからです。自分に対しては非常に甘いとも言えるかもしれません。
逆にほとんど知識がなくても、脳がその気になれば簡単に痩せられるのです。これが肥満症、メタボはある人にとっては難しくて、そしてある人にとっては簡単なのです。
ダイエットに限ったことではありません。本能の反射のコントロールは、勉強や仕事、恋愛など、すべての行動に及びます。
もしこの本能の反射に、これまでのダイエット経験から「ダイエット→不快」と記憶されていたらどうでしょう。
もうおわかりでしょうが、こういう人は「ダイエットしたい。ダイエットしてキレイになりたい」といくら思っても、やはりダイエットに失敗します。理屈で引っ張っていこうとしても、本能の反射は理屈に抵抗するからです。
そして、「やっぱりダメだった。このダイエット法は効果がない」と納得するのです。ダイエットに成功するためには、無意識のうちにおこる「ダイエット→つらい」「ダイエット→イヤだ」というマイナス感情をコントロールする必要があります。
ダイエットは、イメージを使って感情を無意識にコントロールし、本能の反射の記億データを「ダイエット→快」という肯定的なデータに書き換えてしまいます。
本能の反射にダイエットの肯定的なデータがインプットされ、それまでの「ダイエット→不快」という情報が「ダイエット→快」に書き換わると、ダイエットは無意識に肯定的なものになります。言葉を換えると「ダイエットがよい本能」になり、簡単にダイエットに成功してしまう「ダイエット脳」になるのです。
ダイエットを成功させるには続けることが大切で、ダイエットを習慣化する必要があります。
私たち人間は変化を嫌う生き物だから新しい習慣を身につけるのは、そんなに簡単なことではありません。
何か新しいことを習慣にするには、「脳の警戒心」がなくなるまでそれを続ける必要があります。野菜をしっかりとれる食事に変える、栄養バランスを考えた食事にするなど、食生活を変えるときや、運動のような体のリズムに関わる行動の場合は、習慣になるまでかかる時間は約3カ月。一度習慣になってしまえば、ダイエットも苦ではでもなくなるはずです。
→栄養バランスを考えた食事について
続けるためのテクニックとしてとにかく続けることが重要です。
ダイエットの挫折理由でよく聞くのが、忙しくて、ダイエットまで手が回らなくなったというもの。「カロリーをとり過ぎてしまった」「時間がなくてランニングができなかった」という日があると、気持ちが切れてしまい、そこでダイエットをやめてしまう人が多いのです。
一方、ダイエット成功者の場合、そこでやめるのではなく、「できることだけをやる」という選択をします。たとえば「朝食だけは決まった時間に食べて、果物や野菜をとるようにする」「時間がないから、寝る前のスクワットだけは続ける」など、1つのルールを決めて、それだけは守るようにするのです。ダイエットへの効果自体はそれほど大きくないですが、習慣化できれば体は着実に変化していきます。
習慣化の鍵は、あまり生真面目になり過ぎないこと。継続できるランナーは、「適度にサボれる」ランナーです。
完壁にやろうとするのではなく、1つの行動だけ、最初に計画したことの3割くらいだけでもいいので、「継続すること」を目標にしましょう。
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