手 軽 さ 30/100
コ ス ト 50/100
アレンジ70/100
身体負担30/100
知  識50/100
ペ ー ス 70/100
筋肉

立ったり座ったり、あるいは歩くというような基本的な動作をするために、必ずどこかの筋肉が働いています。しかし、筋肉はずっと動かさずにいたり、年を重ねたりすることで少しずつ減少していきます。筋肉が少なくなると、動きが悪くなったり、同じ姿勢をとっていても疲れやすくなったりします。

ダイエットの方法の1つに食事制限がありますが、摂取カロリーが減ると自然と脂肪を燃焼してエネルギーを作るため痩せていきます。しかし、それと同時に筋肉も分解してエネルギーに変えてしまっているので筋肉量が減っていきます。

ダイエットの方法も様々ですが、注意点として筋肉量を保つ必要があります。筋肉は基礎代謝に関わっています。筋肉を増やすことは日常生活や運動での動きをスムーズにするのと同時に、筋肉をつけて基礎代謝量を増やすという役割もあります。

基礎代謝量とは自分で体を動かさなくても、内臓を動かしたり、体温を保ったり、生命を維持するために必要なエネルギー量のことです。たとえば、成人女性の1日の基礎代謝量は1000キロカロリーぐらいです。

この基礎代謝量を1200キロカロリーにアップさせることができれば、200キロカロリーも消費エネルギー量が増えることになるので、食べる量(摂取カロリー)が以前と同じなら、何もしなくても痩せていきます。

身体が動く源は筋肉が収縮するときに発揮する力によるものです。当然筋肉が収縮するためにはエネルギーが必要となります。

人間の筋肉は全身に600もあります。その中で大きく分けると3つに分けられます。「心筋」・「平滑筋」・「骨格筋」。

その中でも骨格筋は、普段私達が「筋肉」と言っているもののことです。骨格筋には、約400種類以上あり、体重の40%を占めているといわれており、さまざまな役割や働きがあります。

ダイエットや痩せるためには筋肉の割合が多いほど運動で消費するカロリーが増え、基礎代謝量もアップするため、運動していないときでもカロリーを消費しやすい体に、言い換えれば「体脂肪が燃えやすい」カラダになります。

1日に消費する総カロリーのうち、約6~7割が基礎代謝に使われているのですが、基礎代謝量は加齢によって徐々に落ちてしまいます。老化によって体の機能が低下していくことが原因の一つですが、特に骨格筋の減少が大きく関係していると考えられています。→基礎代謝とダイエットの密接な関わり

その骨格筋は主として筋繊維というもので構成されています。 筋繊維には大きく分けて2種類がありますのでトレーニングするべき筋肉を紹介します。


① 縮む速度が速い「速筋」
速筋は、すばやく収縮することが出来るため瞬発力を引き出す時に使われる筋肉です。 また速筋は無酸素運動の時によく使われる筋肉でその色から白筋とも言われています。速筋は疲れやすい筋肉ですが筋肥大しやすい筋肉です。 速筋を鍛えるには、筋トレの場合は高負荷低回数のトレーニングが効果的です。→筋トレの詳しい実践方法


② 縮む速度が遅い「遅筋」
遅筋は、小さな筋肉でゆっくり収縮し、持久力を引き出すときに使われます。 また遅筋は有酸素運動の時によく使われる筋肉でその色から赤筋とも言われています。 魚の身の色を想像してもらえるとわかりやすいと思います。

遅筋は筋肥大しにくい筋肉ですが疲れにくくマラソン選手などはこの遅筋が大変発達しています。 遅筋を鍛えるには、筋トレの場合、低負荷高回数のトレーニングが効果的です。 また遅筋を鍛えるにはジョギングなどの有酸素運動が効果的です。→ランニングダイエットの詳しい方法


2.筋肉を使ってEMCL(筋細胞外脂肪)を取り除こう
筋肉をうまく成長させないと、たるむだけでなく脂肪も増加!
たるみの原因は太ったから、つまり、脂肪が増えたからだと思っていませんか?

しかし、20代と40代の女性、それぞれのお尻の脂肪を調べてみたところ、じつは脂肪の厚みは、ほぼ同じでした。ところが、40代女性のお尻は大きくたるんでいるように見えていたのです。脂肪の量は同じなのに、なぜ見た目に差が出たのでしょうか。

筋肉は、まわりの皮下脂肪や皮膚が重力で垂れ下がらないよう、つねに収縮してつり上げています。

しかし、40代女性の場合、筋肉の間に脂肪が入り込み、いわば「霜降り状態」になっていたのです。すると筋肉が皮膚や脂肪を持ち上げる力が弱まります。

結果、だらんと垂れ下がった状態になってしまうのです。この、筋肉に入り込んだ脂肪をEMCL(筋細胞外脂肪)といいます。

筋肉が霜降り化してしまう謎を解くには、筋肉がどのようにしてできるかを知る必要があります。筋肉ができるときにもととなるのが筋衛星細胞。いわば、筋肉の赤ちゃんとなる細胞です。これを立派な筋肉に育ててくれるのが成長因子で、筋肉の伸縮によって分泌されます。

ところが、運動不足などで筋肉が伸び縮みする機会が減ってしまい成長因子が出てこないと、筋肉のもととなる筋衛星細胞は筋肉になるどころか、なんと脂肪細胞に変身してしまいます。つまり、EMCLが増えてしまう原因は、筋肉を使わないことだったのです。

もうひとつ、意外な原因がダイエットを妨げています。無理な食事制限でたんぱく質が不足すると、筋肉同様、たんぱく質でできている成長因子も減ってしまうのです。


3.アデノシン三リン酸と筋力強化のための栄養素

筋肉が収縮するためにはエネルギーは、筋肉の中にある高エネルギー燐酸化合物から供給されます。その代表的なものがアデノシン三燐酸(ATP)という化合物なのです。

アデノシン三燐酸は、まさに留め具がはずれたとたんに莫大なエネルギーで伸びようとする強力なスプリングにたとえることができます。筋肉は、この莫大なエネルギーを利用して収縮します。

アデノシン三リン酸の主な役割はエネルギーを蓄積し、必要なときに放出することです。このことから、アデノシン三リン酸は筋肉のためのエネルギーの「蓄電池」としての役目を果たしているといえます。

このアデノシン三リン酸は筋肉の収縮だけに必要なエネルギーを供給しているのではなく、体内のすべての細胞に必要なエネルギーを供給しています。

私たちが食べる食物の一部が私たちの筋肉をつくってくれることは事実です。しかし、実際には食物のほとんどは代謝のためのエネルギーとして用いられています。

アデノシン三リン酸ですが炭水化物、脂肪、タンパク質からつくられますので、どれも必要なものになります。


炭水化物
食事でとられた炭水化物の分解によって、グルコース(ブドウ糖)がつくられます。グルコースは血糖として知られている糖質です。
筋肉の細胞はアデノシン三リン酸を生産するために、グルコースを主な燃料として利用します。

血糖値の恒常性はきわめて重要なものです。もし、血液中に過剰のグルコースが存在すると糖尿病になります。それを防ぐために余分なグルコースは肝臓や筋肉の細胞内にグリコーゲンとして貯蔵されます。→血糖値とダイエットの関係について
それでも血糖値が高いときには、余分なグルコースは脂肪に変わって体脂肪として蓄積されます。

脂防
脂肪(脂質)代謝の大部分は、肝臓の中で進みます。肝臓の細胞は、それ自体が使うアデノシン三リン酸をつくるために脂肪の一部を利用します。一部をリポ蛋白、トロンポプラスチン、コレステロールを合成するために用います。そして、残った脂肪はすべて血液中に放出されます。

筋肉などの人体の細胞は、血液の中に放出された脂肪を取り込み、それを酢酸に分解します。次に、その酢酸を細胞にあるミトコンドリアの中で完全に酸化して、二酸化炭素とアデノシン三リン酸を生産するのです。
脂肪は重要なエネルギー源ですが、コレステロールは決して細胞の燃料にはなりません。それは、細胞を形づくる助けをするだけです。→コレステロールを下げる方法

タンパク質
タンパク質は皆さんご存知のように筋肉や細胞をつくる主要な物質です。 筋肉は主にたんぱく質を摂取することで作られます。特に運動後や筋疲労を起こした後はたんぱく質を積極的に取ることで回復を促進してくれます。

食事で摂取されたタンパク質はアミノ酸に分解されます。肝臓で血液の処理が終わると、残ったアミノ酸は血液に運ばれて人体の細胞に到達します。細胞は、アミノ酸を血液から取り込み、タンパク質の合成に利用します。筋肉の細胞では、このアミノ酸を使って筋肉合成をしています。

アミノ酸もアデノシン三リン酸の生産に使用されることがありますが、タンパク質が過剰に存在するときや、炭水化物や脂肪が使えないとき(飢餓のような状態)に限り、アミノ酸からアデノシン三リン酸が生産されることがあります。
エネルギー生産のためにアミノ酸が利用されるとアンモニアが発生します。アンモニアは細胞にとって有毒な物質です。そのため、肝臓はアンモニアを二酸化炭素と結合させて尿素にし、尿として体外に排出します。
尿素は脂肪にとって無毒な物質です。


筋肉強化と栄養素
筋肉をつけて太くしたり、力を発揮するためには栄養が必要不可欠です。栄養の摂取が不十分であると、筋肉は細くなり、大きな力を発揮することも困難になってきます。

栄養は、基本的には1日3回の食事によって体内に取り入れます。取り入れられる栄養素には、炭水化物(糖質)、脂肪(脂質)、タンパク質といった三大栄養素と、ビタミン、ミネラルなどがあります。また、栄養素ではありませんが、食事などによって摂取される水分にも重要な役割があります。→三大栄養素とダイエットについて

筋肉強化における栄養素の役割は、主にエネルギーの供給、エネルギー生産反応の円滑化、筋の肥大(増量)、筋機能の調節です。
炭水化物と脂肪が、筋肉の主要なエネルギー源となります。

タンパク質もエネルギー源になることができますが、それは飢餓時のように炭水化物や脂肪などの栄養素を摂取できなくなった緊急の場合だけです。普通、タンパク質は筋肉の細胞などをつくる働きをしています。

ビタミンも重要な働きをしますが、筋活動においては筋肉の中でのエネルギー生産の化学反応を促進する役割を担っています。
水分は、筋肉が正常に働くために役立っています。


4.効率のよいトレーニング方法

たくさんある全身の筋肉を全て鍛えるのは難しいですが、乳酸が溜まりにくい大きな筋肉・面積が広い筋肉からトレーニングを行うようにすればいいのです。

具体的には、大きい順番から書くと・・・・

①お尻と腰の筋肉
②大胸筋(胸の筋肉)
③背筋
④太もも・ふくらはぎ
⑤肩から背中
⑥お腹(腹筋)
⑦腕の筋肉


という具合です。
決して鍛えにくい筋肉ではないと思うので、動かすように心掛けましょう!

トレーニングして筋力アップを目指すには筋肉に負荷をかけて組織を破壊してしまいますが、休憩することで筋肉がもとに戻り以前の量よりも多くなります。

筋肉の破壊→適切な時間休憩する→筋肉の破壊→適切な時間休憩する

この方法でトレーニングすることで筋肉が出来ていきます。

また運動についても瞬間的に行うのではなく、筋トレはしっかりと負荷をかける・有酸素運動を行うという2点を優先しなくてはなりません。瞬発的に行うと筋肉を使っているようで他の体のパーツの筋肉で代償していることもあります。また脂肪は20~30分かけて分解され始めるため、時間をかけて丁寧にトレーニングすることが必要です。

下半身を鍛えるトレーニング方法

上半身を鍛えるトレーニング方法


5.食事量を減らすダイエットは筋肉が減る

ダイエットのために食事量を大幅に減らして短期間で痩せることは逆に太りやすくなります。それは筋肉が減少するからです。食べ物からのエネルギー補給が不足すると、まず肝臓に蓄えられた糖がエネルギーとして使われます。そして肝臓の糖がなくなると、次に筋肉を分解して糖をつくり出そうとします。そのため筋肉がどんどん落ちてしまうのです。→肝臓とダイエットの密接な関係

筋肉が減れば減るほど、体が消費するエネルギーも減少してしまいます。体が消費するエネルギーの約60%は基礎代謝が占めています。

基礎代謝とは、内臓を動かしたり、呼吸をしたりなど、寝ていても使われるエネルギーのことです。その基礎代謝量の5分の1は筋肉で消費されていて、これは脂肪で消費されるエネルギーの約6倍にもなります。

食事量を減らすダイエットによって筋肉が減ってしまうと、基礎代謝量も大きく減少します。痩せるつもりがエネルギーを消費しづらい、太りやすい体質になってしまうのです。→太りやすい体質は存在した



ポイント質問コーナー
Q結局のところ赤筋(遅筋)と白筋(速筋)ではどう違うの?


A筋肉には赤筋(遅筋)と白筋(速筋)があるということは説明しましたが、ウォーキングなど長時間ゆっくりと行える有酸素運動ではおもに赤筋が活躍して、酸素とともに体脂肪をエネルギー源として燃やします。

一方、短距離走や重量挙げなど瞬発力やパワーを必要とする無酸素運動で活躍するのは白筋で、おもにブドウ糖をエネルギ一源として利用します。ですから、ダイエットのためには赤筋を使う運動を取り入れることが大切です。

さらに赤筋を増やすことができれば、より効果的です。このためには、筋力トレーニングに代表されるレジスタンス運動が重要です。

一般に、負荷の軽いレジスタンス運動では、まず優先的に赤筋が使用され、負荷が重くなると白筋が使用されるので、前者を根気よく反復するのがよいことになります。このような運動は「エアロビックレジスタンス運動」とよばれています。



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