子どもが太っている原因は親だった!親子でダイエットしよう
目次
手 軽 さ
コ ス ト
アレンジ
身体負担
知 識
ペ ー ス
太っている子どもが増えている
最近は肥満の若年化が問題になっており、子どもの肥満者も増加しています。健康に悪いことはもちろんですが、現代の風潮はやせているほうがいいとされる傾向にあるため、子ども自身の感覚でいうと、太っているためにほかの子どもより自分が劣って感じられ、ひけめを感じることがあります。
具体的には外見上で悩むこと、運動能力の面で不利なこと、友達や社会との関係がうまくいかないことがあげられます。子どもの頃は脳が形成される大事に時期なので、このようなマイナスイメージは悪い影響を与えかねません。できることならダイエットをして痩せてひけめなく生活した方が健全です。
外見で悩む
子ども自身が自分の外見を嫌いになり、悩むことがあります。たとえば、親子で子ども服売り場に出かけたときに流行のおしゃれな服が着られなかったり、似合わなかったりすることがあります。そうなると子ども本人が傷つくことはもちろん、親も悩むでしょう。
運動面で不利なことがある
太っている子どもはほかの子どもに比べてかけっこしたり、ジャンプしたりといった素早い動きが苦手だったり、ハイキングや校内マラソンなど持久力が試される場合に疲れやすい、という傾向が見られます。
そのため、太っている子どもは「太っているから動きが遅い、鈍い」「太っているから疲れやすい」と感じてしまい、周囲と違う自分に傷つくのです。
特に学校教育の体育の授業は、敏捷性や器用さを競う運動が多いものです。
不利にならない運動もある
太っている子どもに不利にならない運動もあります。1つはプールの中での運動です。水に入ると浮力が生じるため、体重に関係なく動くことができ、陸上の運動に比べて運動の妨げにならないのです。→プールのダイエット効果
もう1つはボーリングです。ボーリングのように投げる動作が中心で、動きまわることが少ないスポーツは向いています。→ボーリングダイエットの実践方法
友達に太っている、恰好が悪いといわれることが続いたり、テレビのバラエティー番組などで太っている人を笑いものにしてばかにする場面に頻繁に触れることで、まわりの友達や社会全体にひけめを感じるようになります。
そのことが原因で周囲の反応に敏感になり、引っ込み思案になってしまうのです。そして場合によってはいじめの被害者になったり、必要のない劣等感を持つこともあります。
思春期になると精神的なトラブルが大きくなることがあります。思春期になって容貌に対する関心がますます強くなり、幼児期からいだいてきた周囲に対するひけめが、さらに高まるからです。
自分があまりきれいなスタイルではない、友達が着ているようなかわいらしい、または恰好いい流行の洋服が着られない、これらが子どもにとって精神的に大きなストレスになります。
そのストレスが原因となって外出嫌いになったり、友達づきあいがうまくいかなくなったり、さまざまな問題を引き起こすことになるのです。
極端な場合には、太っていることによる精神的なストレスが不登校につながることもあります。→ストレスを味方につけて痩せる方法
肥満と不登校の関係
なんらかの原因で不登校になった子どもを見ると、肥満であったということが比較的多いのです。家にこもり、動くことが少なく食べてばかりになって太り、そして太った自分が恥ずかしくなって劣等感を持ち、ますます外に出られなくなる、といった悪循環があると考えられるためです。つまり肥満は不登校を悪化させるいくつかの原因の一つと考えられます。
生活習慣病になる場合がある
医学的な問題として、肥満は生活習慣病と関係が深いことがあげられます。
今までは成人に多いといわれていたインスリン非依存型糖尿病、高脂血症、高血圧症といった病気が子どもにも起こりえます。
これらの病気は冠動脈疾患(心筋梗塞、狭心症)の原因となります。また、成人の検診でよく見つかる脂肪肝も太っている子どもでは多く見られます。
太る原因は食べすぎ、運動不足、太りやすい体質の遺伝
肥満の原因はとても簡単で食べ物からのエネルギーをとりすぎているか消費するエネルギーが少なすぎるためです。
同じように食べて運動しなくても太る人と太らない人がいるのも事実です。ですから、太りやすい体質の遺伝があることも無視できません。
これらのことから、太る原因として考えられるのは、エネルギーの摂取過剰、エネルギーの消費不足、遺伝的な体質の3つ、つまり「食べすぎ」「運動不足」「太りやすい体質の遺伝」になります。→たくさん食べるのを防ぐ方法
水を飲んでも太る人とやせの大食い
太る原因の中でも影響力が強いのが遺伝的な体質です。太っている子どもの親、家族は太っていることが多い傾向にあります。食べるものが同じだから太った家族がそろうという考え方もありますが、離れて育った双子の研究などから、太りやすい体質は遺伝することが確かめられています。→太りやすい体質は存在した
太りやすい体質の人であれば、ほかの人と同じものを同じ量食べていても太ってくる可能性があり、これは食べすぎということになります。どのくらいが食べすぎになるかは個人差があるので、栄養のバランスがとれていてほどよいエネルギー摂取になっているかどうかを分析してみる必要があります。
飽食の時代が食べすぎを引き起こす
飽食の時代になって食べ物があふれているので、子どもたちはいつでもどんな食べ物でも簡単に手に入ります。子どもたちは食べたいものを食べたいだけ自分で手に入れることができるのです。
ジャンクフードと呼ばれるインスタント食品やスナック菓子のようなエネルギーや脂肪ばかりで栄養価の低い食品がどこでも買えるようになりました。子どもたち(大人もですが)はジャンクフードに代表される油っこい、塩辛い、甘辛いといった味つけを好むので、食べる機会も多く、その結果食べすぎや栄養のアンバランスを招くことになります。→あなたの食事バランスをチェックしてみよう
社会環境が運動不足を招く
社会環境も運動不足に大きくかかわっています。電車やバスなどの交通機関の発達、マンションやアパートといった狭い住宅事情、建物の密集はそれほど体を動かさなくても生活できる環境です。そのうえ、スマホアプリやテレビゲームなど、室内娯楽が普及して子どもたちを熱中させ、ますます動く機会を少なくしています。
さらに、子どもたちをとり巻く環境は運動できない原因になっており、場所だけでなく、時間のファクターがあります。現代の子どもはお稽古事と塾に通い、それがかなり子どもの自由時間を圧迫しています。
忙しい子どもを運動不足から救うために
しかし、お稽古事や塾通いを一概に責めることはできません。働くお母さんが増えている現状では、子どもを安全にしておこうと考えるとお稽古事と塾は非常に便利です。
だれかの目に触れていることで守られるという利点があります。しかもそれが勉強や教養に役に立つと考えれば、ますますけっこうなことかもしれません。
お稽古事や塾はある意味でお母さんの知恵だと思います。だとしたら、子どものためにもう少しくふうしてみませんか。通わせるお稽古事や塾を選んでみてください。
たとえば、近所で歩いて通えるところにする、あるいは帰りにバスを使うなら1つ前のバス停で降りるようにして歩かせる、また、お稽古事の内容もピアノやお絵描きばかりでなく、水泳や体操教室を入れるなどです。そんなふうにして、子どもが安全に体を動かせるような塾やお稽古事を選んであげてください。
男女を問わず社会に進出するのがあたりまえになっている世の中で、お父さんお母さん自身も仕事や趣味などの生きがいを持ち、自分のライフスタイルを守ってほしいと思います。
しかし、お父さんお母さんの仕事が子どもの食べすぎや運動不足の原因になり、肥満につながってしまうのはかわいそうです。お父さんお母さんの生活を守りつつ、子どもの健康も考えるようにしてください。
「なぜ太るのか」の理由を知るためには、まず今までの生活を見直すことです。以下に不健康な食事の例と改善点を述べます。当てはまるものがないか考えてみましょう。
テレビを見ながら食べている
食べることに集中し、家族の会話を楽しみましょう。食事の満足度が違います。
夕食の始まりが7時過ぎになることが多い
夕食が遅くなると、おなかがすきすぎてドカ食いになってしまいます。あるいは、食事前に空腹のあまりお菓子をたくさん食べてしまう原因にもなります。
食事と食事の間にもだらだらとつまみ食いをする
食事のけじめがなくなり、その結果食べる量も多くなります。
夜遅く帰宅した親の夜食に子どもがつき合うことがある
寝る直前に食べるのは太る原因になるうえ、子どもの生活リズムもくずれてしまいます。子どもが寝るまで夜食はがまんしましょう。どうしても食べる場合には、野菜中心のさっぱりしたものにします。
朝ごはんを食べない日がある
朝ごはんは一日の始まりで、規則正しい生活の第一歩です。どんなに忙しくてもなにか食べさせましょう
休日に両親とも朝寝坊をして幼い子どもの朝食を省くことがある
幼い子どもはおなかがすいても自分で食事を用意できません。疲れていてもきちんと朝起きて子どもに朝ごはんを食べさせましょう。
料理の盛りつけは家族全員分を大皿に盛りつけている
家族みんなで食べる大皿盛りだと食べた量がわからず、食べすぎの原因となります。かたづけはめんどうですが、一人分ずつ量を考えて盛りつけましょう。
毎日毎食、洋食ばかり、一皿料理ばかりと献立が偏っている
いつも同じものばかり食べているとどうしても栄養が偏ります(固食)。
いろいろな食品、料理を食べるようにしましょう。栄養のバランスがよくなるうえ、食事が楽しくなります。
おやつを手作りすることはほとんどなく、市販のスナック菓子やケーキ、アイスクリームなど、脂肪や糖分が多いものばかり食べている
市販のお菓子はどうしても脂肪や糖分が多く、エネルギーが高いものです。簡単にできる手作りお菓子やくだものなどを可能な限り利用してエネルギーを控え、さらに食事で不足しがちな栄養素の補給をしましょう。→ダイエットと栄養素の関係
食べる量、時間が決まっていない。ほしがるだけ与えている
今おやつも1回分の食事です。食べる時間、量を決めてけじめをつけることがたいせつです。
子どもにおやつ代を与えて自由に買い食いさせることがある
子どもにおやつ代を与えて食べたいものを自由に選ばせると量が多くなり、エネルギーが高いものになります。忙しくてもおやつはあらかじめ用意しておきましょう。
水代わりに甘いジュースやスポーツドリンク、牛乳を飲んでいる
炭酸飲料や清涼飲料などの甘いジュースは糖分が多く、高エネルギーなので、飲んでもコップ1杯までにしましょう。スポーツドリンクも同様に糖分が添加されています。牛乳はカルシウムを豊富に含み栄養価が高いものですが、たくさん飲めば脂肪のとりすぎにつながります。いずれも水代わりに飲むのはやめましょう。
子どもの好きなものばかり食べさせている
好きなものばかりでは栄養のバランスが悪く、わがままに育ってしまいます(固食、個食)。子ども中心の食事ではなく、家族みんなのための食事を考えましょう。
家族がそれぞれ違う料理を食べていることがある
家族が同じ料理を食べ、それについて話すというのはたいせつなコミュニケーションです。好き嫌いも、他の家族が食べている姿を見て解消できることがあるのです。
ファストフードには週に1回は行く
ハンバーガーにフライドポテト、ジュースの組み合わせは子どもが喜ぶメニューですが、エネルギーが高いばかりで栄養価は期待できません。最近は値段も安くなって便利な存在ですが、頻度を減らしましょう。
外食やデリバリー(出前)を月に2回以上利用する
忙しいときや疲れているときは外食やデリバリーを利用してもしかたがありませんが、月に何度も利用するのはやめましょう。子どものためと思い、簡単なものでもなにか作ってあげましょう。
食べ放題の店をよく利用する
子どもも大人も楽しめ、リーズナブルな食べ放題のお店は便利なものです。
しかし、食べる料理や量のコントロールがむずかしく、ついつい食べすぎてしまいます。頻繁に利用するのは控えましょう。
大人が用意したものを食べるしかない子どもたちに、家庭の食事が重要になります。
まして太っている子どもたちにとっては、家庭の食事は特にたいせつです。
太っている子どもたちの親の中には「そんなに食べていないのに太る」と不思議そうにいう人がいます。しかし、ほとんどの場合、太っている子どもは食べすぎであったり、栄養のバランスが悪くて太っているのです。もちろん運動不足やストレスなども原因の一つです。
1日に食べる量ってどのくらい?
子どもは1年間に体重が平均2~3kg増えます。これが、夏休みなどの短期間に急に体重が増えたり、1年間で5kg以上の体重増加があるときは、生活全般と食べる量をふり返る必要があります。
太っている子どもたちの生活全般に共通していることは、生活リズムが夜型であり、食事の始まる時間があまり定まっていないことです。食事の始まる時間が定まらないとおなかがすいて食事前におやつを必要以上に食べてしまいます。しかも夜遅くまで起きているとおなかがすいて夕食後にもおやつを食べたくなり、その結果食べる量が多くなります。
改善するには、生活リズムをととのえ、3食きちんと規則正しく食べることです。これが習慣になれば、1日の理想とする食事の量で自然と足りるようになります。→痩せる食生活に変える方法
起床
遅い起床は朝食を食べない原因になります。7時前に起きるようにすると、リズムが朝型に変わっていきます。
朝食
朝食は1日動くための原動力です。おなかがすいて日中の遊びや体育に参加できない、勉強に身が入らないでは困ります。短時間の料理で、しっかり栄養がとれるようにくふうしましょう。
昼食
給食がない日は単品料理やインスタントものになりがちです。これでは夕食までおなかがもちません。昼食でも充分な栄養素をとらなければ1日の必要量を満たせません。
間食
子どもにとってお楽しみのおやつです。親子でいっしょに作ってみたり、会話をするたいせつな時間です。日中の運動量により、おなかのすきぐあいを調節できる時間でもあります。
夕食
夕食時間を決めると、子どもは待つことを覚えます。食べる時間が不規則だと食事前にお菓子を食べたりとだらだら食べの習慣になってしまいます。
食事内容は、主菜が2品にならないように組み合わせましょう。
間食
夕食後やお風呂上がりのデザートはできれば控えたいものです。食べる場合は量や質を確かめてあげましょう。
寝る前に食べる習慣は太る原因になります。就寝2時間前は食べないように。がまんして早く寝ましょう。
就褒
平日は早寝でも、休日になるとくずれてしまうのでは、せっかく平日に規則正しくてもむだな努力になってしまいます。子どもは体作りの真っただ中です。平日、休日に限らず、毎日規則正しく早く寝ましょう。
お弁当や給食の考え方
子どもにとって、お弁当のふたをあける瞬間はたいへんうれしいものです。
ふだん家では食べないものも、少しなら食べてくれることがあります。
実際に子どもたちのお弁当を見ると、衛生面を考えるとしかたがないのかもしれませんが、揚げ物中心で野菜料理がほとんど入っていないものが目につきます。
ある子どものお弁当は、スパゲティが弁当箱の半分以上を占め、その残りのスペースにから揚げとフライドポテトが入り、デザートにバナナ1本がついていました。これを5分以内で食べてしまうのです。せっかく栄養のバランスのとり方や早食いにならないように指導したのに、理解されていなかったかと残念に思います。
しかし、お弁当にも気をつけている家庭もあります。主食、主菜、副菜のバランスがよく、彩りもきれいで、量もその子どもに適していました。
このようにお弁当からその後の様子を見てみると、やはり前者には太りすぎの改善が見られず、後者は改善していきました。→弁当箱で痩せるコツ
昼食が給食のときは、栄養が充実しています。ただ心配なのは、太っている子どものほとんどがおかずやごはんを2~3杯おかわりしていることです。
子どもに早食いせずにゆっくり食べること、おかわりするなら野菜スープなど低エネルギーのものにするように指導するよう、担任の先生にも協力してもらいましょう。
コ ス ト
アレンジ
身体負担
知 識
ペ ー ス
太っている子どもが増えている
最近は肥満の若年化が問題になっており、子どもの肥満者も増加しています。健康に悪いことはもちろんですが、現代の風潮はやせているほうがいいとされる傾向にあるため、子ども自身の感覚でいうと、太っているためにほかの子どもより自分が劣って感じられ、ひけめを感じることがあります。
具体的には外見上で悩むこと、運動能力の面で不利なこと、友達や社会との関係がうまくいかないことがあげられます。子どもの頃は脳が形成される大事に時期なので、このようなマイナスイメージは悪い影響を与えかねません。できることならダイエットをして痩せてひけめなく生活した方が健全です。
外見で悩む
子ども自身が自分の外見を嫌いになり、悩むことがあります。たとえば、親子で子ども服売り場に出かけたときに流行のおしゃれな服が着られなかったり、似合わなかったりすることがあります。そうなると子ども本人が傷つくことはもちろん、親も悩むでしょう。
運動面で不利なことがある
太っている子どもはほかの子どもに比べてかけっこしたり、ジャンプしたりといった素早い動きが苦手だったり、ハイキングや校内マラソンなど持久力が試される場合に疲れやすい、という傾向が見られます。
そのため、太っている子どもは「太っているから動きが遅い、鈍い」「太っているから疲れやすい」と感じてしまい、周囲と違う自分に傷つくのです。
特に学校教育の体育の授業は、敏捷性や器用さを競う運動が多いものです。
不利にならない運動もある
太っている子どもに不利にならない運動もあります。1つはプールの中での運動です。水に入ると浮力が生じるため、体重に関係なく動くことができ、陸上の運動に比べて運動の妨げにならないのです。→プールのダイエット効果
もう1つはボーリングです。ボーリングのように投げる動作が中心で、動きまわることが少ないスポーツは向いています。→ボーリングダイエットの実践方法
友達に太っている、恰好が悪いといわれることが続いたり、テレビのバラエティー番組などで太っている人を笑いものにしてばかにする場面に頻繁に触れることで、まわりの友達や社会全体にひけめを感じるようになります。
そのことが原因で周囲の反応に敏感になり、引っ込み思案になってしまうのです。そして場合によってはいじめの被害者になったり、必要のない劣等感を持つこともあります。
思春期になると精神的なトラブルが大きくなることがあります。思春期になって容貌に対する関心がますます強くなり、幼児期からいだいてきた周囲に対するひけめが、さらに高まるからです。
自分があまりきれいなスタイルではない、友達が着ているようなかわいらしい、または恰好いい流行の洋服が着られない、これらが子どもにとって精神的に大きなストレスになります。
そのストレスが原因となって外出嫌いになったり、友達づきあいがうまくいかなくなったり、さまざまな問題を引き起こすことになるのです。
極端な場合には、太っていることによる精神的なストレスが不登校につながることもあります。→ストレスを味方につけて痩せる方法
肥満と不登校の関係
なんらかの原因で不登校になった子どもを見ると、肥満であったということが比較的多いのです。家にこもり、動くことが少なく食べてばかりになって太り、そして太った自分が恥ずかしくなって劣等感を持ち、ますます外に出られなくなる、といった悪循環があると考えられるためです。つまり肥満は不登校を悪化させるいくつかの原因の一つと考えられます。
生活習慣病になる場合がある
医学的な問題として、肥満は生活習慣病と関係が深いことがあげられます。
今までは成人に多いといわれていたインスリン非依存型糖尿病、高脂血症、高血圧症といった病気が子どもにも起こりえます。
これらの病気は冠動脈疾患(心筋梗塞、狭心症)の原因となります。また、成人の検診でよく見つかる脂肪肝も太っている子どもでは多く見られます。
太る原因は食べすぎ、運動不足、太りやすい体質の遺伝
肥満の原因はとても簡単で食べ物からのエネルギーをとりすぎているか消費するエネルギーが少なすぎるためです。
同じように食べて運動しなくても太る人と太らない人がいるのも事実です。ですから、太りやすい体質の遺伝があることも無視できません。
これらのことから、太る原因として考えられるのは、エネルギーの摂取過剰、エネルギーの消費不足、遺伝的な体質の3つ、つまり「食べすぎ」「運動不足」「太りやすい体質の遺伝」になります。→たくさん食べるのを防ぐ方法
水を飲んでも太る人とやせの大食い
太る原因の中でも影響力が強いのが遺伝的な体質です。太っている子どもの親、家族は太っていることが多い傾向にあります。食べるものが同じだから太った家族がそろうという考え方もありますが、離れて育った双子の研究などから、太りやすい体質は遺伝することが確かめられています。→太りやすい体質は存在した
太りやすい体質の人であれば、ほかの人と同じものを同じ量食べていても太ってくる可能性があり、これは食べすぎということになります。どのくらいが食べすぎになるかは個人差があるので、栄養のバランスがとれていてほどよいエネルギー摂取になっているかどうかを分析してみる必要があります。
飽食の時代が食べすぎを引き起こす
飽食の時代になって食べ物があふれているので、子どもたちはいつでもどんな食べ物でも簡単に手に入ります。子どもたちは食べたいものを食べたいだけ自分で手に入れることができるのです。
ジャンクフードと呼ばれるインスタント食品やスナック菓子のようなエネルギーや脂肪ばかりで栄養価の低い食品がどこでも買えるようになりました。子どもたち(大人もですが)はジャンクフードに代表される油っこい、塩辛い、甘辛いといった味つけを好むので、食べる機会も多く、その結果食べすぎや栄養のアンバランスを招くことになります。→あなたの食事バランスをチェックしてみよう
社会環境が運動不足を招く
社会環境も運動不足に大きくかかわっています。電車やバスなどの交通機関の発達、マンションやアパートといった狭い住宅事情、建物の密集はそれほど体を動かさなくても生活できる環境です。そのうえ、スマホアプリやテレビゲームなど、室内娯楽が普及して子どもたちを熱中させ、ますます動く機会を少なくしています。
さらに、子どもたちをとり巻く環境は運動できない原因になっており、場所だけでなく、時間のファクターがあります。現代の子どもはお稽古事と塾に通い、それがかなり子どもの自由時間を圧迫しています。
忙しい子どもを運動不足から救うために
しかし、お稽古事や塾通いを一概に責めることはできません。働くお母さんが増えている現状では、子どもを安全にしておこうと考えるとお稽古事と塾は非常に便利です。
だれかの目に触れていることで守られるという利点があります。しかもそれが勉強や教養に役に立つと考えれば、ますますけっこうなことかもしれません。
お稽古事や塾はある意味でお母さんの知恵だと思います。だとしたら、子どものためにもう少しくふうしてみませんか。通わせるお稽古事や塾を選んでみてください。
たとえば、近所で歩いて通えるところにする、あるいは帰りにバスを使うなら1つ前のバス停で降りるようにして歩かせる、また、お稽古事の内容もピアノやお絵描きばかりでなく、水泳や体操教室を入れるなどです。そんなふうにして、子どもが安全に体を動かせるような塾やお稽古事を選んであげてください。
男女を問わず社会に進出するのがあたりまえになっている世の中で、お父さんお母さん自身も仕事や趣味などの生きがいを持ち、自分のライフスタイルを守ってほしいと思います。
しかし、お父さんお母さんの仕事が子どもの食べすぎや運動不足の原因になり、肥満につながってしまうのはかわいそうです。お父さんお母さんの生活を守りつつ、子どもの健康も考えるようにしてください。
「なぜ太るのか」の理由を知るためには、まず今までの生活を見直すことです。以下に不健康な食事の例と改善点を述べます。当てはまるものがないか考えてみましょう。
テレビを見ながら食べている
食べることに集中し、家族の会話を楽しみましょう。食事の満足度が違います。
夕食の始まりが7時過ぎになることが多い
夕食が遅くなると、おなかがすきすぎてドカ食いになってしまいます。あるいは、食事前に空腹のあまりお菓子をたくさん食べてしまう原因にもなります。
食事と食事の間にもだらだらとつまみ食いをする
食事のけじめがなくなり、その結果食べる量も多くなります。
夜遅く帰宅した親の夜食に子どもがつき合うことがある
寝る直前に食べるのは太る原因になるうえ、子どもの生活リズムもくずれてしまいます。子どもが寝るまで夜食はがまんしましょう。どうしても食べる場合には、野菜中心のさっぱりしたものにします。
朝ごはんを食べない日がある
朝ごはんは一日の始まりで、規則正しい生活の第一歩です。どんなに忙しくてもなにか食べさせましょう
休日に両親とも朝寝坊をして幼い子どもの朝食を省くことがある
幼い子どもはおなかがすいても自分で食事を用意できません。疲れていてもきちんと朝起きて子どもに朝ごはんを食べさせましょう。
料理の盛りつけは家族全員分を大皿に盛りつけている
家族みんなで食べる大皿盛りだと食べた量がわからず、食べすぎの原因となります。かたづけはめんどうですが、一人分ずつ量を考えて盛りつけましょう。
毎日毎食、洋食ばかり、一皿料理ばかりと献立が偏っている
いつも同じものばかり食べているとどうしても栄養が偏ります(固食)。
いろいろな食品、料理を食べるようにしましょう。栄養のバランスがよくなるうえ、食事が楽しくなります。
おやつを手作りすることはほとんどなく、市販のスナック菓子やケーキ、アイスクリームなど、脂肪や糖分が多いものばかり食べている
市販のお菓子はどうしても脂肪や糖分が多く、エネルギーが高いものです。簡単にできる手作りお菓子やくだものなどを可能な限り利用してエネルギーを控え、さらに食事で不足しがちな栄養素の補給をしましょう。→ダイエットと栄養素の関係
食べる量、時間が決まっていない。ほしがるだけ与えている
今おやつも1回分の食事です。食べる時間、量を決めてけじめをつけることがたいせつです。
子どもにおやつ代を与えて自由に買い食いさせることがある
子どもにおやつ代を与えて食べたいものを自由に選ばせると量が多くなり、エネルギーが高いものになります。忙しくてもおやつはあらかじめ用意しておきましょう。
水代わりに甘いジュースやスポーツドリンク、牛乳を飲んでいる
炭酸飲料や清涼飲料などの甘いジュースは糖分が多く、高エネルギーなので、飲んでもコップ1杯までにしましょう。スポーツドリンクも同様に糖分が添加されています。牛乳はカルシウムを豊富に含み栄養価が高いものですが、たくさん飲めば脂肪のとりすぎにつながります。いずれも水代わりに飲むのはやめましょう。
子どもの好きなものばかり食べさせている
好きなものばかりでは栄養のバランスが悪く、わがままに育ってしまいます(固食、個食)。子ども中心の食事ではなく、家族みんなのための食事を考えましょう。
家族がそれぞれ違う料理を食べていることがある
家族が同じ料理を食べ、それについて話すというのはたいせつなコミュニケーションです。好き嫌いも、他の家族が食べている姿を見て解消できることがあるのです。
ファストフードには週に1回は行く
ハンバーガーにフライドポテト、ジュースの組み合わせは子どもが喜ぶメニューですが、エネルギーが高いばかりで栄養価は期待できません。最近は値段も安くなって便利な存在ですが、頻度を減らしましょう。
外食やデリバリー(出前)を月に2回以上利用する
忙しいときや疲れているときは外食やデリバリーを利用してもしかたがありませんが、月に何度も利用するのはやめましょう。子どものためと思い、簡単なものでもなにか作ってあげましょう。
食べ放題の店をよく利用する
子どもも大人も楽しめ、リーズナブルな食べ放題のお店は便利なものです。
しかし、食べる料理や量のコントロールがむずかしく、ついつい食べすぎてしまいます。頻繁に利用するのは控えましょう。
大人が用意したものを食べるしかない子どもたちに、家庭の食事が重要になります。
まして太っている子どもたちにとっては、家庭の食事は特にたいせつです。
太っている子どもたちの親の中には「そんなに食べていないのに太る」と不思議そうにいう人がいます。しかし、ほとんどの場合、太っている子どもは食べすぎであったり、栄養のバランスが悪くて太っているのです。もちろん運動不足やストレスなども原因の一つです。
1日に食べる量ってどのくらい?
子どもは1年間に体重が平均2~3kg増えます。これが、夏休みなどの短期間に急に体重が増えたり、1年間で5kg以上の体重増加があるときは、生活全般と食べる量をふり返る必要があります。
太っている子どもたちの生活全般に共通していることは、生活リズムが夜型であり、食事の始まる時間があまり定まっていないことです。食事の始まる時間が定まらないとおなかがすいて食事前におやつを必要以上に食べてしまいます。しかも夜遅くまで起きているとおなかがすいて夕食後にもおやつを食べたくなり、その結果食べる量が多くなります。
改善するには、生活リズムをととのえ、3食きちんと規則正しく食べることです。これが習慣になれば、1日の理想とする食事の量で自然と足りるようになります。→痩せる食生活に変える方法
起床
遅い起床は朝食を食べない原因になります。7時前に起きるようにすると、リズムが朝型に変わっていきます。
朝食
朝食は1日動くための原動力です。おなかがすいて日中の遊びや体育に参加できない、勉強に身が入らないでは困ります。短時間の料理で、しっかり栄養がとれるようにくふうしましょう。
昼食
給食がない日は単品料理やインスタントものになりがちです。これでは夕食までおなかがもちません。昼食でも充分な栄養素をとらなければ1日の必要量を満たせません。
間食
子どもにとってお楽しみのおやつです。親子でいっしょに作ってみたり、会話をするたいせつな時間です。日中の運動量により、おなかのすきぐあいを調節できる時間でもあります。
夕食
夕食時間を決めると、子どもは待つことを覚えます。食べる時間が不規則だと食事前にお菓子を食べたりとだらだら食べの習慣になってしまいます。
食事内容は、主菜が2品にならないように組み合わせましょう。
間食
夕食後やお風呂上がりのデザートはできれば控えたいものです。食べる場合は量や質を確かめてあげましょう。
寝る前に食べる習慣は太る原因になります。就寝2時間前は食べないように。がまんして早く寝ましょう。
就褒
平日は早寝でも、休日になるとくずれてしまうのでは、せっかく平日に規則正しくてもむだな努力になってしまいます。子どもは体作りの真っただ中です。平日、休日に限らず、毎日規則正しく早く寝ましょう。
お弁当や給食の考え方
子どもにとって、お弁当のふたをあける瞬間はたいへんうれしいものです。
ふだん家では食べないものも、少しなら食べてくれることがあります。
実際に子どもたちのお弁当を見ると、衛生面を考えるとしかたがないのかもしれませんが、揚げ物中心で野菜料理がほとんど入っていないものが目につきます。
ある子どものお弁当は、スパゲティが弁当箱の半分以上を占め、その残りのスペースにから揚げとフライドポテトが入り、デザートにバナナ1本がついていました。これを5分以内で食べてしまうのです。せっかく栄養のバランスのとり方や早食いにならないように指導したのに、理解されていなかったかと残念に思います。
しかし、お弁当にも気をつけている家庭もあります。主食、主菜、副菜のバランスがよく、彩りもきれいで、量もその子どもに適していました。
このようにお弁当からその後の様子を見てみると、やはり前者には太りすぎの改善が見られず、後者は改善していきました。→弁当箱で痩せるコツ
昼食が給食のときは、栄養が充実しています。ただ心配なのは、太っている子どものほとんどがおかずやごはんを2~3杯おかわりしていることです。
子どもに早食いせずにゆっくり食べること、おかわりするなら野菜スープなど低エネルギーのものにするように指導するよう、担任の先生にも協力してもらいましょう。
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