ダイエットと運動について
運動とダイエット

ダイエットや痩せることでイメージされることは辛い食事制限や運動ではないでしょうか?

ダイエットに関して誇張や誤解、間違った意味で広まってしまった知識や情報などもあると思います。その代表的なもののひとつが運動に関するものです。

ダイエットとなると多くの場合は動くことでカロリーを消費させることが基本とされています。それは常識であり、間違ってはいないと思いますが果たして痩せるためにどれくらいの運動を何時間行えば、カロリーが消費され、脂肪が燃焼されるのかをみなさんは把握していますか?

動かないよりは当然動くほうがカロリーは消費されますが、運動によって脂肪を燃焼させようと思ったら、かなりの運動量をこなさなくてはならないのです。

ランニングはダイエットの定番ですが、例にあげて消費カロリーを計算してみます。ランニングによる消費カロリーは「自分の体重×走った距離」といわれています。

この計算で体重60キロの人がフルマラソンを走ったら、60×40で2400kcalになります。1日の成人男性が摂取するエネルギーに相当します。そう考えると大きなエネルギーのようにも感じますが、脂肪では265g程度しか消費されません。

約3~5時間ぐらいかけてフルマラソンを走りきって、たったこの程度の脂肪しか燃焼されないのです。走った後は体重が軽くなっているように感じることもあると思いますが、それは脂肪が燃焼したからではなく、からだの水分がなくなっているにすぎません。

また、理論的な話になりますが、運動によるエネルギー燃焼の順序というのも大切なポイントとなります。

日常生活や運動でからだを動かしたとき、まず最初に体内で使われるのは糖質と決まっています。

次に肝臓で作られるグリコーゲンが消費されます。それらのエネルギーを消費して使い切ると、やっと脂肪が使われるのです。なのでダイエットのために行う運動は空腹時が良いとされています。この順序を知っていれば理解できると思います。

この手間を考えると運動に向ける努力を食事制限に振り向けたほうがはるかに効率が良いような気もします。なので極端な食事制限ダイエットが流行るのもわかりますが、決してやっても無駄ということはありません。運動はいわば定期預金の利息のようなもので、長い目で見れば必ずプラスになるものです。


筋肉がつくと基礎代謝が上がったり、体温が上昇すると脂肪燃焼効率もアップします。これは運動をやめた後でも数時間は継続してカロリーを消費してくれる効果があるのでダイエットには有効な手段です。→基礎代謝とダイエットの関係について

また、ストレス解消にも効果があるので、体重が落ちにくい停滞期やスランプを乗り切るときなどは有効です。

運動ひとつをとってみても奥深いダイエットの世界ですが、せっかく運動を行うのならやみくもに体を動かすのではなく、たくさん運動がある中で「どの運動が良いか」を考えて適切なカロリー消費をして楽しいダイエット生活を過ごしましょう。




ダイエットで運動が苦手な人でも取り入れやすい方法や、忙しい人でも続けられる方法をいくつか提供します。

歩く習慣を身につける
歩くことは、ダイエットや健康にとって非常に有益であることが知られています。毎日少なくとも30分から60分程度の散歩をするだけでも、心身共にリフレッシュし、脂肪燃焼効果が期待できます。仕事帰りや休日のお散歩など、運動を意識せずに取り入れやすい方法です。

自宅でできるエクササイズ
ジムやスポーツクラブに通う時間がない、または運動が苦手という人は、自宅でできるエクササイズを取り入れることができます。例えば、スクワットや腕立て伏せ、プランクなどは、自宅で手軽に行うことができ、筋力トレーニングにも効果的です。自分のペースで行えるので、運動不足解消にも繋がります。

運動を楽しむことができる趣味を見つける
運動が苦手な人でも、自分が楽しめるスポーツや趣味を見つけることができれば、楽しく運動することができます。例えば、サイクリングやヨガ、ダンスなど、自分に合った運動を見つけることができます。

日常生活に運動を取り入れる
忙しい人でも、日常生活に運動を取り入れることができます。例えば、エレベーターやエスカレーターを使わずに階段を使う、歩く距離を少しでも延ばす、机やイスに座りながらでもできるストレッチを行うなど、ちょっとした工夫で運動不足を解消することができます。

食生活の改善にも着目する
ダイエットは運動だけではなく、食生活の改善も非常に大切です。食事内容を見直し、カロリー摂取量を減らすことで、運動しなくてもダイエット効果を実感することができます。また、運動をしている時には、体に必要な栄養素を摂ることが重要であり、健康的な食事を心がけることが大切です。また、水分補給も忘れずに行い、運動やダイエットの効果を最大限に引き出すことができます。

短時間で効果的な運動を取り入れる
忙しい人でも、短時間で効果的な運動を取り入れることができます。例えば、高強度インターバルトレーニング(HIIT)やタブタタ式トレーニングなどは、短時間で高い効果が期待できます。仕事や家事の合間に、15分程度のトレーニングを取り入れることで、運動不足を解消することができます。

睡眠を十分にとる
ダイエットや健康にとって、十分な睡眠は非常に重要です。睡眠不足は、ストレスや体調不良の原因となるだけでなく、代謝が低下し、ダイエットの効果を阻害することもあります。忙しい人でも、十分な睡眠をとることで、体調を整え、運動やダイエットに取り組むことができます。

運動を楽しむ
運動が苦手な人でも、楽しめる運動を見つけることができます。例えば、ダンスやヨガなど、音楽に合わせた運動や、アウトドアスポーツなどは、楽しんで取り組むことができます。また、友人や家族と一緒に運動することで、モチベーションが上がり、続けることができます。

プロテインを摂取する
プロテインは、筋肉の修復や成長に必要な栄養素です。ダイエット中の人でも、プロテインを摂取することで、筋肉量を維持することができます。また、プロテインは満腹感を与えるため、食事の前や間食として摂取することで、食欲を抑えることができます。

以上が、ダイエットで運動が苦手な人や忙しい人でも取り入れやすい方法やアイデアです。自分に合った方法を見つけて、継続することが大切です。ダイエットは長期的な取り組みが必要ですが、少しずつ取り組んでいくことで、健康的な体型や生活を手に入れることができます。



ここでは数ある運動やスポーツの中でダイエットに向くもの考えていきます。痩せるために運動を取り入れるときは、「体を動かす」というのではなく「心拍数を上げて、維持する」という点を考えることが大切になってきます。これは「基礎代謝」と大きな関連があります。

体脂肪を燃やす有酸素運動にはランニングやウォーキング、エアロビクス、自転車、水泳などがありますが、何よりも大切なのは「呼吸をしながら運動を続ける」ことです。→水泳ダイエットの実践方法

歯を食いしばってキツイ運動をすれば、より一層体脂肪が燃えそうなイメージがありますが、それでは逆効果なのです。呼吸のペースが乱れたり呼吸をしないで力を入れたりする状態では、たとえ有酸素運動とされているトレーニングを行っていても、酸素の供給が十分でないため脂肪を燃やすことができません。

有酸素運動で脂肪を効率よく燃やすには、自分に合った運動強度で行うことがもっとも大切です。ややきついけど、この程度なら30分は続けられそうというのが、ちょうどいいのです。

有酸素運動は最低30分以上やらないと効果がないといわれましたが、現在ではたとえ5分の運動でも、血液中の脂肪やぶどう糖は筋肉で燃焼することがわかっています。まとまった時間がとれなくても、細切れに体を動かすことが肝心です。


基礎代謝量も重要な要素
人間は毎日さまざまな活動をして生活していますが、1日中なにもせず、ベッドに横になっているだけならば、エネルギーを使わずに済むのでしょうか?

もちろんその間も心臓を動かして血液を流したり内臓が忙しく活動しているので常に人間はエネルギー源が必要になってきます。

ただし、生活の内容によって個人差もあり、肉体労働を行う人は大量のエネルギーがなくては仕事ができませんし、デスクワーク中心の人なら、少ないエネルギーでも仕事に支障は出ないでしょう。

私たちの体は、その生命や機能を維持するために、常に何らかの活動を行っています。

こうした仕事を行うと、当然エネルギーを消費します。それこそが基礎代謝といわれるものです。

基礎代謝は性別・年齢、体格などによって変わってきます。一般的に年齢とともに基礎代謝は落ちるとされています。また、体が大きく筋肉量の多いスポーツマンやボディビルダーなどは当然のように基礎代謝量も大きくなりますから、それだけ多くのエネルギーが必要になります。

さらにポイントなのは体重が重くて太っているだけの人も、基礎代謝量は大きくなっていきます。

それは全身に血液を巡らせるためにポンプとなる心臓がより強い力で動かなければならず、小柄で痩せた人よりも多くのエネルギーを使うのが理由です。ちなみに肥満の人に高血圧が多いのはこうした現象があるからです。ただからだへは無理な負担がかかっている状態には変わりありません。

外見だけの違いでこれほどの基礎代謝の差がありますが、生活スタイルで日常的にどれくらい体を動かしているのかという点でも基礎代謝の量は変わってきます。

デスクワーク中心の人でも1日の基礎代謝消費カロリーは1200kcalほど、あるいはそれ以上のエネルギー量になります。フルマラソンを走ることと比較すると、かなり効率的なエネルギー消費といえるではないでしょうか。これは何もせずに消費されるエネルギーです。

運動で痩せることを考えるのなら、それによる消費カロリーの計算よりも高い心拍数を維持するという点を考えると良いでしょう。

心拍数120を30分間維持する、というようなメニューをこなしていけば、ちゃんとそれだけの結果が表れるはずです。その運動内容はマラソンであったり自転車であったり、その人に合う方法で良いのです。もちろん有酸素運動に限ったことではなくて筋トレや無酸素運動でも良いでしょう。→筋トレの実践方法

有酸素運動と無酸素運動という言葉がでてきましたが、その効果に違いについてふれておきます。

有酸素運動とは、その名の通り酸素をとりながら比較的弱い力を筋肉にかけながら継続する運動のことで、代表的なものにウォーキングやランニングがあります。

心拍数が上がりやすく継続できるので、エネルギー源として体内に蓄えられている脂肪を燃焼させる効果があるのでダイエットには有効とされていますが、筋肉量があまり増えないので基礎代謝は上がりにくいといえます。

一方の無酸素運動は、酸素をとりこまず瞬間的に強い力でする運動のことで、短距離走や強い負荷の筋トレなどがあります。酸素が入らないので短時間しか運動できないけれど、糖質を消費して、筋肉を鍛える効果があります。心拍数の継続は大変ですが基礎代謝が上がりやすくなります。



ダイエットは体重を減らすことと思っている人は、非常に多いことでしょう。間違いではありませんが、同時に筋肉まで減らしてしまっては、効率がよくありません。

体重は落ちていても筋肉がやせ細り、その分脂肪が増えていくこともあります。こうなると体重に変動があまりなくても、結果的には体脂肪率が高くなり、肥満に結びつくのです。最近ダイエットに熱心な若い女性が増えていますが、標準体重にこだわるあまりに、体の中身まで考えずに痩せようとしている人が多いようです。→筋肉をつけて痩せる方法

アメリカの大学で行なったダイエットに関する実験で、面白いデータが出ています。
ダイエットをするのに3つのグループに分けました。「運動はしないで減食だけをしたグループ」、「減食と自転車こぎをしたグループ」、「減食とウェイトトレーニングをしたグループ」の3グループです。

結果としてはそれぞれ同程度の体重の減少がありました。
しかし、その中身をみてみると、大きな違いがあったのです。

まず自転車こぎグループ、運動しないグループでは約2キロの筋肉や骨の減量が見られましたが、ウェイトトレーニンググループでは逆に0.4キロの増えていました。でも体脂肪の減量については、ウェイトトレーニンググループが、他と比べて2キロ以上大きかったのです。

つまりウェイトトレーニンググループは脂肪を効率的に燃焼しているということです。
代謝についても、安静時や食事誘発性体熱産生も高くなっていました。→食事誘発性体熱産生とダイエットの関係
これは基礎代謝が高まり、脂肪が燃焼しやすい体になったことを表わしています。
つまりウェイトトレーニングには、筋肉や骨の量を保ちながら脂肪だけを減らし、基礎代謝をアップするという画期的なダイエット効果があるのです。


どちらも一長一短あるので、バランスよく運動をするのが理想的ですが、無酸素運動は有酸素運動より、短い時間の積み重ねでできるというメリットもあって、時間のない人でもできるといえます。

また無酸素運動のほうが場所をとらないことが多く、有酸素運動は気持ち的にひとふんばりが必要なのと準備に時間がかかってしまう場合もあります。

色々な方法があるので悩んでしまいがちですが、一番効果的な方法を紹介すると、それは筋トレ+有酸素運動の順番で運動することです。

もちろん時間がかかってしまうので、簡単ではありませんが、有酸素運動は20分以上続けないと脂肪が燃え始めないと言われています。みなさんも1回は聞いたことがあると思います。

最近の研究では連続ではなく、断続的な運動の合計20分でも同じ効果があるという報告もあります。

しかし、有酸素運動はある程度の時間の積み重ねがないと効果が出づらいので、筋トレ(無酸素運動)を入先にもっていくことが有効なのです。

筋トレ後に分泌される成長ホルモンの働きによって、脂肪分解酵素の量が増加するので、その後にウォーキング(有酸素運動)をすれば、ちょうど脂肪が効率的に燃え始めるタイミングに、脂肪分解酵素の働きが加わって、さらに効果的に脂肪を燃やすことができるのです。



筋肉がたくさんあると脂肪燃焼効果がアップするので、ダイエットなら筋肉量を増やしたほうが有利です。でも筋肉って、使わないと急速に減少してしまうことをご存じでしょうか。

よく知られるエピソードとして、地球へ帰還した宇宙飛行士が歩けないほどに筋肉を減らしてしまっていたという話があります。宇宙は無重力状態であるために筋肉にまったく負荷がかからないので、短期間で多くの筋肉が失われてしまったわけです。

これと同じことはもちろん運動不足でも起こります。
学生時代や過去にスポーツ選手だったような人も、社会人となって仕事をするようになれば、体を動かす機会は減ってしまいます。昔と比べて負荷が少なくなれば、加速度的に筋肉が落ち、代謝が落ちて、見違えるように太ってしまう人も少なくありません。

もちろん運動をしてこなかった人でも負荷を与えれば筋肉がつくので、増やしたり維持する努力を積まなくてはなりません。

定期的に負荷を与えていれば、筋肉の減少を抑えたりためることができます。減るときと同じような勢いで増えるということはありませんし、それで代謝が大幅にアップするようなこともないのですが、筋肉は鍛えれば裏切ることなく着実につくのです。

そして年齢に関係なく高齢になっても鍛えることができます。ひざなどの関節などを痛めないように気をつけ、適切な量の負荷をかけさえすれば、筋肉はいくつになっても鍛えられます。そして、簡単に筋肉をキープしたり量を増したりすることができるのです。年齢とともに低下する基礎代謝を少しでも高いレベルにとどまらせようとするには、毎日少しずつ筋肉に負荷を与えることが必要になってくるのです。


身体組成とは、身体を構成する骨や筋肉、脂肪など組織の割合です。このうち健康・体力づくりと関わりがあるのは、脂肪と脂肪以外の組織(主として筋肉)との割合で、体脂肪率で表します。「メタボリック」という言葉がすっかり社会に広まったことで、体脂肪率を気にしている人も多くなりました。

あらためて述べるまでもなく、体に余分な脂肪を蓄積しないで、その分筋肉を増やしたほうが、より健康に過ごせます。とくに、脂肪は心肺系体力と大きな関係があります。まず、過剰な脂肪が蓄積されると、スタミナがなくなります。そうすると、運動をしようという意欲がなくなってしまいます。

スタミナというと、思い浮かぶのがマラソンです。日本の女子マラソンランナーでトップクラスの選手は、みんな10%前後の体脂肪率だそうです。
脂肪はスタミナだけでなく、さらに恐ろしい病気の原因ともなります。ある疫学の研究によれば、標準体重より20%以上肥満している人は、心臓病による死亡率が標準体重の人の2.6倍も高いそうです。

さらに、こんな研究もあります。医学の進歩でがんが撲滅されても、平均寿命はせいぜい2年しか延びないと推定されています。しかし、肥満が原因の病気が撲滅されれば、なんと7年も平均寿命が延びるといわれているのです。
しかし、残念なことに、人間は年をとるとともに体脂肪率が高くなっていきます。これは、「基礎代謝」と関わりがあります。





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