肥満遺伝子をチェックして最も適した方法でダイエット
目次
- 1.肥満遺伝子ダイエットとは
- 2.太る遺伝子が生まれた理由
- 3.「遺伝子」とは
- 4.遺伝子のチェック!
- 5.診断結果 発表
- 6.肥満遺伝子は無数にある
コ ス ト
アレンジ
身体負担
知 識
ペ ー ス
みなさんは人よりも太りやすいと感じたことはありませんか?太りやすい体質というのは実際に存在しています。わずかな食糧であっても、少しでも余剰カロリーが生まれたなら、それを脂肪に変えて蓄え、将来のために備えようとする体質のことです。
つまり、入るものは少なくても倹約できる体ということですが、それにはこれまでの人類の歴史が深く関わっており、厳しい食料事情の中で飢餓との戦いをしてきた人類は効率のいい倹約家の体であるほうが生存に有利だったからです。
この倹約できるからだは遺伝子として人間は持っています。すべての人が持っているわけではなくて、日本人は約3人にひとりはエネルギー倹約遺伝子の変異型を持っているとされています。
この肥満遺伝子は同じものを食べても余計にため込んでしまうのです。最近はこの肥満遺伝子を手軽にチェックできるので、気になる人は後ほど紹介します。
人間の体重は遺伝子要因によって一定にセットされているという「セットポイント仮説」が昔から提唱されていました。食事や運動によって一時的に体重が減ってもセットポイントは変化しないので、またもとの体重へ戻っていくという現象が起こるわけです。→セットポイントの詳しい説明
最近になって発見された肥満遺伝子によって脂肪細胞から分泌されるレプチンという新しいホルモンはこの仮説を裏づける有力な要因になりうるとして注目されています。
そもそも人の体型は千差万別。同じ運動をしても、筋肉のつくスピードは人によって違います。同じように、脂肪がつきやすい人もいれば、つきにくい人もいる。「同じ量を食べても太る人と太らない人がいるのはなぜ?」と思ったことがあるはず。
脳は絶えず体内の代謝状態を調節しており、生来のセットポイントを超えて体脂肪が増えると遺伝子のはたらきにより白色脂肪細胞からレプチンが分泌されると考えられます。
このレプチンは脳の視床下部にあるレプチン受容体に結合し、満腹中枢を刺激して食欲を低下させ、交感神経を介して消費エネルギーを増やして体重をもとのセットポイントへ戻すように作用します。
レプチンは167個のアミノ酸からできています。しかし、マウス実験では105番目のアミノ酸をつくる遺伝子に異常があり、きちんと機能しない不完全なレプチンしかつくれないことが判明しました。
体が脂肪を燃やしてカロリーを消費させるのは、アドレナリンというホルモンの命令によるものです。
肥満遺伝子をもっている人は、脂肪細胞にあるアドレナリンの受容体に異常があるため、いくらアドレナリンが「脂肪を燃やせ」と指示を出しても反応しません。そのため、脂肪を使わずに溜め込んでいくのですが、脂肪細胞は自分自身の体の2.5倍までしか脂肪を溜め込むことができません。それを超えると細胞の数を増やして対応するので太ってしまうのです。
人間の場合、体重や体脂肪量を決めるメカニズムはきわめて複雑で、40種類以上もの肥満関連遺伝因子が関与しているのではないかと考えられています。
なので確実な原因究明には至っていません。確かなことはひとりひとりによって太り方が違うのだから、当然やせる方法も違うということです。
そして、自分に合ったダイエット法は、 あなたの「遺伝子」が知っていたのです。これから一緒に見つけていきましょう。
脳は活動している日中も、睡眠中も、体温や体液中のエネルギー源に関わる各栄養素の濃度をモニターし、生理的に許容できる範囲(正常値)におさまるよう、まず代謝を調節します。→基礎代謝の詳しい説明
それでも余ってしまった栄養素は、蓄積できるものは可能な限り蓄積します。この能力の高い個体が生残し、子孫を残してきました。
逆に限度を超えてこれら栄養素が低下してしまった場合、蓄積したエネルギー源を分解(異化)し、酸化させることによって体熱を発生させますが、同時にほかの栄養素まで分解されて、尿中に排泄させ、必要な栄養素まで失うことにもなります。唯一の対応は、食べることです。
脳が一瞬も休むことなく体液中の体温を一定に保ったり、活動のエネルギーに関わる各栄養素を管理したりする仕組みは、脳の脳幹、特に視床下部と呼ばれる部位に集中しています。→栄養素と痩せる関係
生命活動の基本は脳幹にあり、食欲、体温、浸透圧やPH (水分と電解質とのバランス)、そして体液中の各栄養素の正常値を維持する役割を担っているからです。身体は気温の変化にすみやかに対応して、服を脱いだり着たりして体温調節をしてします。
今は、空調設備がいたるところにあるので、動かずとも温室の植物のように便利で快適な生活を送ることもできます。文明化する前、それも火の利用を知らなかったころの人間は寒い季節にきわめて困難な体温の調整を強いられたことでしょう。
イヌのように、夏と冬にそなえて体毛を入れかえる動物もあれば、渡り鳥のように大移動する動物もいます。これは食糧を求めて自らの生存と種の保存のためのがけの行動であるのです。
身体の中心部の体温を37℃に維持することは実は大変複雑な調節で、1~2℃上下するだけで体調は悪化します。体毛の少ない私たちの先祖は、寒さ対策として、動物の毛皮を身にまとい、洞窟で風雪に耐え、ほとんどの動物がおそれをなす「火」を利用して暖をとりました。
一方で、食糧も少なくなる寒冷期にそなえて、冬眠を控えた動物の食行動のように、体脂肪を蓄積すべく、エネルギー源になる食糧が豊富なときに食べられるだけ食べて、余剰分を脂肪として備蓄したと考えられます。皮下脂肪の蓄積は、エネルギ—源のほかによい断熱材の役割を果たしていたと考えられます。
3~4万年前の最後の氷河期は、北半球の大部分が氷河におおわれていました。大移動も冬眠もできない私たちの先祖は、寒冷な気候を生き抜くうえで、ある程度の飢餓にも耐えるために、食物の豊富な時期に生理的欲求を超えて炭水化物や脂質を食べることができる者だけが生存し、子孫を残すことができたと考えられます。
現代人にもこの遺伝的素因は受け継がれていて、糖や脂質はおいしく食べられるので、食べ出すとなかなかやめられない傾向(やみつき現象)があります。過食が続くと、最終的に脂肪として脂肪細胞は肥大化し体型は当然肥満になります。
「遺伝子」は、 親から受け継いだあなたの「体」の設計図のようなもの。人の顔かたちや体格、体質などは遺伝子によって決まります。 その中には太りやすさを決める遺伝子もあります。それが「肥満遺伝子」というものです。
人の遺伝子は、約3万2000種類あるといわれ、現在50種類以上の「肥満遺伝子」が発見されています。その中で、 日本人の多くが持っている3種類の遺伝子に着目しました。
それが
「β3AR(ベータ・スリー・ アドレナリン受容体)」
「UCPI(ユー・シー・ピー・ワン)」
「β2AR (ベーターツー・アドレナリン受容体)」
の3つです。
正確には、 この遺伝子は誰もが持っているもので、 問題はこの遺伝子に変異があるかどうか。つまり、3つのどの遺伝子に変異があるかで、太り方や、やせ方が違うことが最近の研究でわかってきたのです。
この3つの遺伝子が重要なのですが、とてもネーミングがわかりづらいので、ちょっと呼び方を変えましょう。
「β3ARはリンゴ型」
「UCP1は洋ナシ型」
「β2ARはバナナ型」です。
ネーミングの理由は、ご想像通り、フルーツのかたちがそれぞれの体形のイメージに近いからです。
一言でいうと、リンゴ型はお腹が出る内臓脂肪型。洋ナシ型はお尻から太ももに皮下脂肪がつくタイプ。
バナナ型は、全体的にほっそりして手足が長い、実は、バナナ型は太りにくい「逆肥満遺伝子」なのです。でも諸刃の剣で、太ると全体に大きくなり、最もやせにくいタイプでもあります。日本人の97%がこのうち最低1つを持っているという結果が出ています。
つまり、あなたもこの3つのうちのどれかを持っている可能性が高いのです。 もしかしたら、2つ持っていることも。
早速チェックしましょう!
下記の3つのシートのうちで一番該当項目が多いものがあなたの遺伝子タイプになります。
※チェックボックスすべてが対象で合計が計算されます。各項目ごとにチェックを解除して使用してください。
リンゴ型診断シート
リンゴ型はこちら 洋ナシ型はこちら バナナ型はこちら
リンゴ型のあなたが好きなものは…
ご飯やパン、麺類は、砂糖と同じ糖質。リンゴ型は、ご飯や甘い物にたっぷり入った糖質が好きなのです。ビールなどの糖質の高いお酒も大好物。カロリーを気にせずに、好きな食べ物を5つ考えてみて。ご飯、パン、パスタ、
ビール、大福もち、お芋などが浮かんだ人は、 リンゴ型の可能性大。
なぜかというと、リンゴ型は、ほかの遺伝子型より食後の血糖値が高く、血糖値が上がることが快感になっているのです。そもそも血糖値が高いのは筋肉に糖分を取り込ませるインスリンの効きが弱いため。本当は「糖」が苦手なんです。→血糖値とダイエットの関係について
特徴まとめ
・1日の基礎代謝量が200Kcal一般の人より少ない
・糖分の代謝が苦手なために、糖分で太りやすい
・内臓脂肪がつきやすく、太るとウエストがきつくなる
・性格は明るく、温厚な人が多い
・ご飯やパン、パスタ・麺類が大好き
・ご飯の時刻に食べれないとイライラする
日本人の30%がリンゴ型
女性よりも男性に多く、ビール好きもこのタイプ
洋ナシ型のあなたが好きなものは…
揚げ物、 炒め物など油っこいものが大好き。甘い物でもバターたっぷりの洋菓子系。ズバリ「脂肪」が好きなんです。そのため、主食よりおかず派。カロリーを気にせずに、好きな食べ物を5つ考えてみて、鶏の唐揚、コロッケ、炒め物、 ケーキ、などが浮かんだ人は、洋ナシ型の可能性大。
洋ナシ型は、食事をした後、血液中の脂肪量がなかなか減りません、筋肉などで脂肪を燃やす効率が悪い。筋肉が脂防をうまく利用できないため、「脂肪不足?」と体が思い、脂肪をもっと食べたくなるのです。でも、実際には利用できずに余った脂肪が、体にたくわえられてしまいます。→筋肉をつけて脂肪を効果的に燃焼させる方法
特徴まとめ
・1日の基礎代謝量が80~100Kcal一般の人より少ない
・脂肪の代謝が苦手なために、脂肪で太りやすい
・皮下脂肪がつきやすく、太ると下腹やヒップが太くなる
・性格はまじめで、ちょっと頑固な面も
・主食よりおかずが好き。唐揚げやフライなどが好き
・ストレスがたまるとスナック菓子を袋食いしたりする
日本人の35%が洋なし型
男性より女性に多い
ダイエットに悩む女性はこのタイプが多い
バナナ型のあなたが好きなものは…
細い体から想像される通り、 野菜や海藻、豆腐といったヘルシーフードが好き。カロリーを気にせずに、好きな食べ物を5つ考えても野菜、果物、豆腐、魚、海藻などばかりが浮かぶはず。肉たっぷりのこってり系よりも断然あっさり系を好みます。
それは、たんぱく質が胃にもたれやすいから。バナナ型は胃腸が弱い傾向にあります。そのうえ、せっかく吸収したたんばく質、アミノ酸を体の中でさっさと分解。筋肉や細胞の材料になるはずのたんぱく質を壊してしまうので、余計にたんばく質が不足しがち。そのため、体力や免疫力も低い人が多いのです。→胃袋とダイエットの関係
特徴まとめ
・1日の基礎代謝量が200Kcal一般の人より多い
・たんぱく質が血や肉になりにくく、太りにくい
・手足が長く細く、けっこう神経質で几帳面な人が多い
・野菜や豆腐などヘルシーなものを好む
・食事を抜いてもけっこう平気
日本人の24%がバナナ型
太りにくく、逆肥満遺伝子
しかし太ると最も痩せにくいタイプ
じゃあ肥満遺伝子を持っている人はみんな太る?そんなことは決してありません。肥満に関係する遺伝子を持っていても、やせている人はたくさんいます。遺伝はあくまで肥満の原因のひとつであって、決定的な因子ではありません。
遺伝か環境かといった場合、環境の占める割合も大きいんです。つまり、その後の暮らし方次第でどうにでも変わるものなんですよ。だから、たとえ検査をしてそういう遺伝子が見つかったとしても決してあきらめることはありません。→環境が原因で肥満になる
肥満に関係する遺伝子はひとつではなく、無数の種類があります。ですから、ひとつの肥満遺伝子があるとかないとかの問題に捉われて、それでダイエットの成否が決したかのような考え方をするのはよくありません。ダイエットは「体質」で勝負がつくのではなく、あくまで「頭」で勝負がつくもの。そこのところを間違えないようにしてください。
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