脳の疲労がダイエットを邪魔しているので回復させる3原則で対処しよう
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肥満と脳は関係ないようで、実は密接に関わっています。それは脳が人間の行動をつかさどっているからに他なりませんが、脳の視床下部という場所に食行動をつかさどる満腹中枢と空腹中枢があります。
太らない人間はこの機能が普通に働いていますが、太ってしまう人はこの機能が正常に機能していない場合があります。
さらに大脳皮質が重要な関わりをもち、その「脳におけるプログラミングの狂い」が食欲中枢の働きを狂わせる原因なのです。つまり、私たちは知らないうちに視床下部と大脳のプログラムに従って食行動をしているのです。
体温の維持や体の栄養のバランスを一定に保つために、脳が食欲や満足感を巧みに操りながら、健康な体を維持しています。この脳のはたらきを知ることは、やせる人の脳、太る人の脳を理解するうえでとても重要なことです。
毎日の食事で体内に摂取した栄養素は、エネルギー源として消費したり、尿や汗などで体外に排泄します。
もし、脳が長期にわたって飢餓状態になっても、体温を保って生存できるように、身体のなかに蓄積したエネルギー源となる栄養素、まずグリコーゲンを分解してグルコースに、次に脂肪酸、最後にタンパク質をやむを得ず分解するようにできています。
そのため、ダイエットをすると脳の飢餓感が強くなるので、なんとか食物を摂取して栄養素を充足するよう、指令を出すのです。この飢餓感が空腹感として認識されています。
食べさえしなければ太らないことが分っていながら、肥満になるまで食べ過ぎるのは、まさに脳疲労がそうさせているのです。
そして、その脳疲労を生じさせるのは、夫婦仲が悪かったり、夫が単身赴任している、仕事がうまくいっていない、人間関係で悩んでいる、といったようなストレスです。ストレスがきっかけになって、脳のプログラムが変わってしまうのです。
ストレスが、脳のプログラムに狂いを起こさせている、このメカニズムをきちんと理解してこそ、はじめて脳疲労が回復してダイエットがスムーズにできるのです。→ストレスとダイエットの関係
このダイエットは考えているより簡単で、複雑な手順もいりません。脳が過剰なストレスにさらされてしまうと「脳疲労」が生じ、それが「五感異常」を起こして過食などの「食行動異常」が生じ、そしてその結果「肥満」になるのですから、流れのどこかを遮断すれば、「肥満」は生じないことになります。
言葉で言うのはとても簡単ですが、「食行動異常(過食など)」を止めろと言っても大変困難であることは明らかです。それには「ストレス過剰」を減らすことが、いちばん好都合なのですが、これも現実的には容易なことではありません。
例えば、人間関係(夫婦関係、親子関係、友人関係、仕事上の人間関係など)や仕事の内容、量が、その人のストレスとなっているとき、それを簡単に排除することは困難です。そこで一番遮断しやすい流れはどこかというと、「食行動異常」よりも先の原因である「脳疲労」を解消することです。では「脳疲労」を解消するにはどうしたらいいのでしょう。
それは普段の日常生活において、自分にとって嫌なことはできる限りしないこと。逆に、自分にとって心地よいこと、快いことをひとつでもいいから開始しようということです。
脳疲労を回復させるダイエットの「3原則」
①健康に良いこと(運動など)や、良い食べ物でも、嫌であれば決してしない(食べない)。
②健康に悪いこと(食べ物)でも、好きでたまらないか、やめられないこと(食べ物)は、とりあえずそのまま続ける(決して禁止しない)。
③健康に良くて、しかも自分がとても好きなこと(食べ物)をひとつでもよいからはじめる(食べはじめる)。
食べることを制限せずに気持ちよく食べることは、誰にでもできることです。しかし、3度の食事を全て思いのままに、心地よく食べるのは、今の現代社会ではほぼ無理です。
心から満足できる心地よい食事とは…
①素材や味つけが自分の好みに合っていること、
②満足がいくまでたっぷり食べられる量があること
③味や素材のバリエーションも楽しめるように、ある程度の品数がそろうこと
④ゆったりした気分で食事ができるように、時間的な余裕があること
などがあります。
そして家族や好きな人と談笑しながら、リラックスして食べられる環境も必要です。どんなに好きなものでも、嫌いな上司の小言を聞きながらでは楽しくないですし、美味や珍味をごちそうになっても、一緒に食べている人に気をつかったりしていては、やはりおいしくありません。それよりも、家でカップラーメンを食べたほうが、ずっとおいしいと思うでしょう。
こうした条件を満たす食事となると、やはり1日の仕事を終えて、心身ともにリラックスする夕食が理想的ではないでしょうか。
これを「夕食1食主義」と誤解する人がいますが、快食ができれば、夕食に限ったことではなく、昼でもいいし、朝でもいいし、また1週間に1回でもいいのです。食べるという行為の、本来の心地よさを、体感するための「1日1快食」だからです。
また「夕食を質、量ともに満足するまで食べること」というと、ダイエットをしている人にとっては「やせるためにはカロリーを制限し、しかも朝食より夕食を少なくしなければならない」という従来の常識が邪魔をして心配になるかも知れませんが、実は、夕食を多く取って太る影響より、夕食を多く取ることで得られる満足が「脳疲労」を解消してやせさせる効果のほうがはるかに大きいのです。
ですから、まず心の満腹感を与えてあげることが大切になってきます。そうしないとリバウンドの可能性が高くなってしまいます。→満腹感を得てダイエットをする方法
この方法でやせた人は、筋肉が落ちないで、脂肪だけが落ちます。これは、MRIという精密検査で確かめられたものです。体力(最大酸素摂取量)が増大したという事実も証明しています。
本来、筋肉が落ちるのは、栄養失調になるからです。無理なダイエットでは、体重は減るのですが筋肉が落ち、見るからにやつれてしまうのは、そのせいにほかなりません。
ダイエットの食事制限では、3食共に1回の食事量を減らすという悪い例も紹介されており、これは結果としてすべての食事で質まで低下する危険性があり、トータルでみると栄養失調にもなりかねませんし、消費カロリー量が減るので逆に太る可能性もあります。→無理なダイエットの危険性について
夜は満足するまでしっかりと食事(快食)をし、朝は水分中心食、昼は補助食品、もしくは軽い食事にすると、それまでの食事以上に十分に必要な栄養が取れるので、栄養失調、および筋肉が落ちるのを避けられるだけでなくかえって体力が増加するのです。どのような方法でもかまいませんので、ダイエットと力んでしまっては効果を思うように発揮できないでしょう。
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