発声ダイエットは腹式呼吸を意識してトレーニングする方法
目次
- 1.発声ダイエットとは
- 2.痩せていく理由
- 3.腹式呼吸トレーニング
- 4.腹式呼吸で発声してみよう
コ ス ト
アレンジ
身体負担
知 識
ペ ー ス
ダイエットにありがちなリバウンド現象は、ダイエットそのものを目的にするから起きてしまうことなのです。たとえば、蛙飛びの運動がもてはやされたとします。痩せたい人はみんなその運動に飛びつき、痩せることができたとして、その後も続けられる人はどれだけいるでしょうか。
人間は、意味のない行為は長く続けられないものです。
同じように、ひとつのものを食べ続けたり、自分の本質に合わないきつい運動を無理に強いることは、その行為自体に意味がないのですから、いつか途切れるのは人として自然なことなのです。
リバウンドはそこで起きます。元の自分に戻ってしまいます。間違っていたのはやり方なのです。
発声ダイエットは、発声という表現を通じて日々を豊かにしていくことにその目的があります。
普段の生活で声を出している人は案外少ないと思います。ネットの普及など社会環境もあり、1日だれとも話さなかったなんていう人もいるかもしれません。みんなが忘れている声を出すことを意識することで違った自分が見えてくると思います。
とても上手なアーティストはのどが優れてよい声がでるのではなく、楽器としての全身が優れているのです。自然と体はリズムが出てきて、手や足がつられて動きます。
同じことで、発声も全身表現です。どんなふうに発するのか、それは頭で考えることではなく、体で感じることです。何かの文章を読んでもいいですし、歌詞や気持ちでも良いでしょう。リズムを取りやすいところでは全身で乗ってしまいましょう。踏ん張るところではぐっと足腰に力を入れます。音声表現である以上、発声と歌は同じです。
肥満ゆえの偏頭痛や体の不調に悩んできた人がいました。ところが、発声ダイエットをはじめて、立って発声することに慣れた頃、薬を手にしなくなった、体調が良くなっている自分に気付いたというのです。
これはスポーツの効能と同じです。そしてより体が動くようになった結果、脳もまたつられて活性化したのでしょう。会う度に表情は豊かになっていきました。発声がそれほどまでに効果が期待できるのでしょうか。発声は頭と体、その両方によく働きかけてくれます。しかも手間がかからないので、知識さえ身につければ誰でもすぐにはじめることができるでしょう。
→ダイエットと脳の関係について
腹式呼吸とは言いますが、お腹だけを使えばいいというものではないのです。もっと全体イメージの問題です。大地や空とつながっている自分を想像できるかどうか。
この腹式呼吸を自らのものとし、体すべてを使って声を出すという行為は、かなりの効果を肉体面と精神面にもたらします。何かが燃え始めたような、心地よい充実感が体の中からじわじわとあふれだします。内臓が主役になって表現を楽しみ始めたような感覚です。
そして、声が変わっていきますし、何よりも体型や顔も変わってきます。
発声ダイエットで重要なことは、声と体の関係をイメージして毎日少しずつでも、発声練習を続けられるかどうかがポイントです。当然無理はだめですが、続けることが必要であり、腹式呼吸のトレーニングを日課にすることです。
歌や朗読など、あらゆる音声表現の基本は腹式呼吸にあります。体の中から声を出すことを意識して朝晩の短いトレーニングをこなすだけで、声と表現力は変わります。
また、これまで意識してこなかった体の内側の力を感じることで、代謝が向上して脂肪の燃焼効率が良くなります。体重が減ってさらに体調も良くなっていきます。声を出すということはストレスの解消にもなり、ダイエット中のストレスは大敵です。リフレッシュした気持ちで生活が送れるので、食欲も抑えられます。→ストレスを味方につけて痩せる方法
発声ダイエットは準備する道具なども必要がなく、からだだけを使うのでお金もかかりませんし、すぐに始められる簡単なダイエット方法なのです。
私たちは肺から空気を吐き、声帯を振動させて声を出していますが、肺は筋肉ではないので、脳がいくら信号を送ってもそれ自体では動けません。
肺が膨らんだり縮んだりするのは、肺を囲んでいる筋肉と、肺を引っ張ったり押し上げたりする横隔膜の働きがあるからです。双方がうまく連動して私たちの呼吸を支えています。
ただ、自分の意志通りに肺を動かそうとするなら、胸の筋肉には頼らないようにして下さい。コントロールが効くのは横隔膜の方なのです。あがると歌が乱れるのは、心的な緊張が体にも現われてしまうからです。
この、こわばる、という現象は筋肉で起きます。したがって肺のまわりの筋肉を当てにしていると、練習ではうまくいけても、本番では思う通りに歌えない。それを避けるためには、横隔膜を友にするしかありません。肺を下から支えてコントロールする。すなわちそれが腹式呼吸による発声なのです。
ウォーミングアップ
①お尻と背中と後頭部がまっすぐになっていることを意識して立つ。足を肩幅ぐらいに広げる。体の中に管楽器が入っているような気持で。
②右足を左足の前に出す。
③両手の掌を組み天に向ける。左腕が左耳に触れるぐらい伸ばす。伸びをしたまま体を右方向へひねる。
④お腹に溜まった息をゆっくりと吐いていく。同じポーズをとったまま、もう一度、お腹に息を溜め、ゆっくり吐く
腹式呼吸
①右足を前に出す。息を2秒でお腹に落とす。
②反時計周りにシャボン玉を回すつもりで、8秒間息をゆっくり安定して出していく。①と②のセットを30回繰り返す。10秒×30回=5分。タイマーではかるのもいいが、慣れて来たら、自分の意識の中で数えると気持ちがよくなり、集中力が増す。
腹式呼吸を意識できるようになってきたら、いよいよ声をのせていきます。
2秒落として8秒吐く。あるいは3秒落として7秒吐く。この息を吐く際に、声を出します。途切れることなく同じ音圧で、最初は「ア」の音がいいでしょう。口を縦に開くイメージで、胸の底のあたりから声を出して…
ちょっと待ってください。声は声帯で出すのではないですか?
声帯も肉体の一部なのだから、鍛えれば強くなると思っている人もいるかもしれません。声帯そのものは膜のようなものだとイメージして下さい。とても繊細な器官で、これは鍛えようがありません。むしろダメージを受けやすい場所です。
声を出す際、肺に続いて、声帯の存在も忘れた方が良いでしょう。お腹に大きな空気袋があり、それが胸を縦に貫く肉管楽器につながっている。このシンプルなイメージです。
発声練習をする際、大きな声を出さなければいけないと思っている人が多いようです。もちろん、大きな声を出せた方が表現の幅は広がりますが、それよりも大事なことは腹式呼吸で発声ができているかどうかです。低音域の土台を意識して縦に声が出せているかどうか。
呼吸法、発声法さえ自分のものになっていれば、普通の声量でのトレーニングで充分です。
「ア」の声が腹式呼吸の息に素直にのるようになってきたら、五十音を発声しましょう。母音を大事に発声して下さい。
アイウエオ イウエオア ウエオアイ エオアイウ オアイウエ
カキクケコ キクケコカ クケコカキ ケコカキク コカキクケ
サシスセソ シスセソサ スセソサシ セソサシス ソサシスセ
タチツテト チツテトタ ツテトタチ テトタチツ トタチツテ
まずはア行に注目して下さい。一文字ずつずらして五音を回転させていきます。最初のうちはたどたどしい読み方になるかもしれませんが、一文字ずつはっきり発音すると心掛け、それができる範囲で少しずつ読む速度を増していきます。
こういうのを「滑舌」のトレーニングといいます。滑舌とは、文字をはっきりと、クリアに発音すること。
口の形や歯並びなど、こうしたことが影響を与えるのが滑舌です。コマーシャルのナレーションを入れる仕事でも、サ行の滑舌が悪くて何度もやり直しすることがあります。
このようなトレーニングを行うことで正しい方法や姿勢で発声することができるので、自然と体型にも変化が訪れます。何よりもからだのバランスがよくなるので、血流の流れもスムーズになり、新しい酸素をたくさん取り込むので代謝がアップします。これが発声ダイエットの理想的な方法なのです。→正しい呼吸でダイエットする方法
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