空いた時間にトレーニング

「運動習慣をつけよう」、「継続的にトレーニングしよう」と思い立ち、最初は一生懸命筋トレに励んでも、「仕事が忙しく て、なかなか思うようにできない」と、頭を悩ませるようになります。

ここで考えない人は、三日坊主でやめてしまいます。考える人は、前向きにトレーニング したいという気持ちを持続できている証拠です。決してへこむ必要はありません。そして、この種のジレンマは、筋トレをやればやるほど強くなるものです。

私も常に同じジレンマを抱えながら、トレーニングを続けています。現代のビジネスマンが、トレーニングで体型マネジメントを行おうと思ったら、誰もが抱える問題です。

特に不況と言われるここ数年は、仕事で結果を求められる傾向が、より一層強まっています。まだまだ日本はトレーニングに対する理解が乏しいので、筋トレが あるから残業しませんなどと言ったら、あっという間にリストラ候補でしょう。今まで以上に、トレーニングの時間を作り出すことが、難しくなってきていることは間違いありません。

しかし、2日や3日ならまだしも、それ以上トレーニングの間隔があき過ぎてしまうと、たちまち筋肉のテンションが下がってしまいます。今までに積み上げてきた筋トレの効果も、マイナスになりませんが、限りなくゼロに近いところまで戻ってしまいます。

せっかく強い気持ちで始めたボディデザインが、モチベーション以外の理由でトーンダウンしてしまうのはとてももったいないことです。

このような環境下では、いかにして少ないチャンス(時間)を最大限有効に使うかが、トレーニングの成否を分けることになります。それゆえ、自分にとって、もっとも効率の良いトレーニング方法を探していくことが求められます。 そのために効果的なアプローチ法がふたつあります。

①トレーニング時間が短い時向けの運動メニューを、レパートリーに加える
短時間で効果的なトレーニングメニューというのは、 少ない種目でできるだけ多くの筋肉に、良い剌激を与えることです。特に、大筋群と呼ばれる「脚・ヒップ」「胸」「背中」など、文字どおり大きな筋肉をターゲットにしたトレーニングを優先させます。

大筋群のワークアウトを行えば、補助的に腹筋や腕の筋肉も使うことになるので、自然と全身が鍛えられることになります。 ちなみに私の場合は、スクワット、腕立て運動、懸垂などの種目を集中して行い、筋肉のテンションを維持するように気をつけています。

②トレーニング間の休息時間(インターバル)を短くする
トレーニングを行う際は、各種目の間に適度な休憩時問を設けます。実はこのインターバルが、ちょっとしたワナになっていることもあります。
もちろん呼吸を整える程度のインターバルは必要ですが、 それ以上に休んでしまっている場合が多いのです。トレーニングの負荷にもよりますが、インターバルは基本的に60-90秒あれば十分です。

インターバルを短くすれば、それだけでトレーニング時間の短縮が図れます。時問の短縮は、同時にトレーニング時間を確保しやすくなることにつながり、習慣化しやすくなります。

また、筋肉の疲れが完全にとれる前に次の運動を行うことは、運動効果的にとても意味があることです。筋肉への刺激を強めることができるので、自然と質の高い筋トレができるようになります。

もし、現在トレーニングをしていて、インターバルを多めにとっているという人は一度試してみてください。インターバルを短くすると、ダラダラせず、より集中してワークアウトを行えるようになり、結果、短時間で効率的にワークアウトを行う力が身につきます。
意識すべきは、トレーニングの量より質。質の良いトレーニングを常に全力で行う。そうすれば、時間を効率的に使いながら、最大限の成果を引き出すコトができるようになるのです。

そして、行動の種類に関係なく、何かでコツをつかむと、そのコツは他のことにも応用できるものです。今でこそ、子どもの頃からゴルフをやっていた人がプロ の道に進んでいますが、一昔前は、他の競技のトップレベルの選手が、20歳を超えてからゴルフを始めて、プロテストに受かっていた時代がありました。

なぜ、そんなことが可能になるかというと、ある分野でトップレベルまで上達した人は、上達するコツというものをつかんでいるからです。
ボディデザイン成功のコツは、時間を効率的に使いながら、最大限の成果を引き出すことです。
身体が変わるという結果を出せば、そのコツはつかめます。コツさえつかむことができればそれを仕事などに応用するのは難しいことではありません。
自分のライフスタイルに合わせて、筋トレも仕事でも上手なタイムマネジメントを意識してみましょう。



例えば鍛える時間が5分間あったとしても必ず毎日5分というわけではありません。慣れてきたら、自分の時間の許す範囲で、10分にしたり、15分にしたりと調整すればいいでしょう。最初のきっかけは、肩凝り防止でもメタボ対策でも何でも構いません。1日最低限5分というハードルの低さが、ボディデザインに目覚めるきっかけになるのです。

そして、5分でもやれば、自分の気持ちの中で「やった」という充実感が少しでも残ります。この充実感を少しずつ積み上げていくことで、 モチベーションを維持することができるようになってきます。 また、筋トレは、気軽に取り組める運動です。

気楽にできる自分のメニューを持っておくと、さまざまなメリットがあります。たとえば、今日は食べ過ぎたなあという時でも、「明日、ちょっと筋トレすればいいか」と思えるようになってきます。私は、これを「リセットメニュー」と呼んでいます。 食べ過ぎると、「やばいな」、「まずいな」という負の感情に支配されていきます。そんな心理状態は、ストレスがかかるし、食事も楽しめません。

しかし、リセットメニューがあれば、「明日、運動すれば食べても0K」という前向きな気分のままでいられます。リセットメニューが心理的なセーフティーネットになって、その時間を存分に楽しむことができるようになるのです。少しだるくて調子が出ないという時も、今では横になって休むという選択肢しかなったかもしれません。これが、5分の筋トレでリフレッシュできるとしたらどうでしょう?

1時間の運動では、それこそだるくてやる気が起きないと思いますが、5分でいいのですから、ちょっとやってみるかという気にもなれます。そして、5分でもカラダを動かして筋肉に刺激を与えれば、 ココロもすっきりしてきます。 食事制限のダイエットをしている人は、よくこんなことを言って嘆いています。

せっかく頑張ってきたのに、1回の飲み会で食べ過ぎ、飲み過ぎて、振り出しに戻ってしまった。「ちょっと甘いものを食べたら、今までの努力が台無しになってしまった」。 でも、1日5分というリセットメニューがあれば、こんな嘆きとは無縁です。食べ過ぎたら、筋肉を鍛えて燃やせばいいだけの話なのです。

結局、こういう悩みが出てくる理由は、食事制限によるダイエットが、非日常の取り組みだからです。非日常の取り組みは、続けるのが難しくて当然。つねに挫折のリスクがつきまといます。

「継続は力なり」という格言があるように、大事なのは続けること。ストレスがかかることを日常に組み込むと、継続も困難になります。だからこそ1日5分という続けやすい時間で、自分にとって最高の頑張り方を模索していくことが重要なのです。



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