肥満は環境が原因
ダイエット環境を整えよう!

病気になる原因には、遺伝と環境の両方が関わっているという説が有力です。肥満に関しても例外ではなく肥満と環境の関係性は重要です。

人間の歴史は昔、飢餓(きが)と寒さとの戦いであり、獲得したエネルギーを脂肪として蓄える体の仕組みが発達した結果、いわゆる肥満遺伝子が大切とされ保存されてきたと考えられています。→肥満遺伝子について詳しい説明

しかし、遺伝するのは肥満体という体型ではなく体脂肪を蓄える能力であると考えられています。人並みはずれてたくさん体脂肪を蓄えられるという、すぐれたサバイバル能力をもって生まれてきても現在とは違い、飢餓状態の環境下で生活している限り、そう簡単に太れるはずはないでしょう。

やはり、すぐれた能力に加えて、それを十二分に花開かせることができる環境にどっぷりつかり、5年、10年かかって、徐々に肥満体が完成してくるわけです。

ですから、人間の肥満の成立には遺伝と環境の双方の要因の関与が必要となります。その影響する割合は遺伝が3~4、環境が6~7割程度ではないかと考えられています。

複数の肥満遺伝子の関与が明らかになっており、遺伝子を調べて肥満になりやすい体質かどうかをある程度判断できるようになってきましたが、肥満の原因としては環境因子のほうが重要と考えられています。

環境的要因としては複雑に絡み合っています。主に食べすぎ(過食)、食べ方の誤り、運動不足などが問題点です。食べることに不自由がなく運動量が少ないという欧米型ライフスタイルが日本でも浸透するとともに、これらの環境的要因は増加し、国内で肥満が急激に増えつつあります。→過食を防ぐ方法



日本人は、ご存じのように元来肥満者が少ない民族ですが、ハワイあるいは米国本土へ移住した日系人をみると、日本から離れて東へ移住していくにつれ、肥満者の割合が増加することが疫学調査で明らかにされています。

日本人と日系人の遺伝的背景は同じですから、この差はやはり遺伝ではなく環境的要因の違いに起因すると考えられます。昔と現在では辺りを見回して変化があることに気がつくと思います。

やはり高脂肪・高タンパクの欧米型食生活に起因する過食と近代化社会における慢性的な運動不足がその引き金になっていることに間違いはありません。

さらに街では24時間営業しているコンビニやファストフード店の増加、自動販売機、家庭用冷凍冷蔵庫と調理済み食品の普及など冷蔵庫から食べものを取り出して1日のうちいつでも手軽に食べることが可能となった欧米型ライフスタイルがその元凶といっても過言ではありません!→痩せる食生活に変える方法

食べもの以外でも必要な時にすぐに手に入るのは非常に便利なのですが、食べ物の誘惑は常につきまとう環境が肥満増加の原因となっています。

ニューヨークのマンハッタンに住む白人11万人を代表する各層に対して実施した研究があります。各人の社会・経済的地位を学歴や職業、年収、家賃などの要因から算定してみると面白いデータが出ました。

地位の低い層では高い層と比べて、男性で2倍、女性では6倍もの高頻度で肥満者が多く存在することが明らかになりました。このことから、人間の肥満の成因として、社会・環境的要因の影響はきわめて強大であるということがいえるでしょう。さらに「物質文明は肥満者を増加させ、精神文明はそれを減少させる」という極端な意見を提唱する学者もいるほどです。

一時期、米国のエグゼクティブのあいだでは,「肥満者は自己管理能力に劣っている」という見方が流行しました。しかし、1994年の遺伝子の発見以降、このような極端な意見は鳴りをひそめるようになり、肥満者を悪者扱いする行きすぎた風潮は一段落しました。

それでも、やはり環境要因の影響は無視しえないほどに大きいことはいうまでもなく、「生活習慣病」とか「ライフスタイル病」という呼び名は継続して使用されているわけです。しかしこれらの環境は作り変えることが可能なので、まずは欧米的なライフスタイルから脱却させることを最優先に考えてみてはいかがでしょうか。



痩せている人と太っている人の違いは食べる量にあるといっても過言ではありません。食べたい気持ちをいかに少なくするかが重要なポイントになってきます。つまり環境から変えていくということです。

特に食べたいわけではないのに、何となくお菓子を食べてしまう。あなたにも、そんな経験がありませんか?

すぐに実践してほしいのは好物を手の届くところに置かないことです。
誰でも好きな物が目の前にあって、手が伸びないわけがありません。ついつい口にしてしまうことはよくあることです。

何となく食べてしまうおやつは、カロリーも高く栄養もないので明らかにダイエットの敵です。

これを防ぐためにはその保存の仕方を変える必要があります。目の前に好物がおいてあるのに、これを食べずにがまんするというのは、よほど強い意志がなければできないことです。

よく置きがちな机の上や調理台の上など、すぐに食べられるところに食べ物を置かないことです。見て食欲が出てしまう機会を少なくする必要はあるので、目の届かない戸棚の中にしまったり、容器自体を中身が見えないものに変える工夫が賢い選択です。それが面倒なら隣りの部屋に移動させても良いかもしれません。

また、ジュースやビールの飲みすぎも注意する必要があるので、冷蔵庫には1本だけ冷やしておくのが良いです。もう1本飲もうかなと思っても、冷やされてなければ飲む気もしないはずです。

何となく食べ物に手が伸びたら「これはいけない」と思う強い意志を持つことももちろん大切になってきます。でもその前に、好物は見えないところにしまう、自分の部屋に食べ物を置かないなど、食べにくい環境を作ることが、もっと大切なのです。



食器を大きいものから小さくて重い茶碗に替えてみる
食生活の習慣は、なかなか変えられません。だからダイエットは難しいのですが、脳をだますこともひとつの方法です。→ダイエットと脳の関係について

たとえば、毎日使うご飯の茶碗が大きいものだと、ごはんも多くなって必要以上に食べてしまいがち。ですから、小さいものを用意するとよいのです。

しかし、物足りなさを感じることもあるでしょう。そんなときのために、茶碗は小さくてやや重めのものを選ぶのがポイントです。持ったときの感触では、満足感がありますから、「ご飯はこれ1膳だけで十分」と脳が直感的に判断して満腹感を与えてくれます。

味噌汁も同様のことが言えます。味噌汁の具として、野菜や豆腐などたくさん摂れるので良いのですが、ただし欠点は塩分を摂りすぎる原因になること。そこで、ここでもお碗を小さいものに替えてみましょう。

さらに、具だくさんにすることで、同じお碗の容量内での汁は減ります。ですから塩分も減らせるわけです。味噌汁もご飯と同様に毎日のことですから、お碗を小さくしてしまうことで「ちょっと、心がける」が自然にできるのです。→味噌汁ダイエットの詳し説明


油を減らすために調理機材の工夫しよう
調理のときに油は必須です。もちろん多く使うとカロリーは増えます。使う油の量は、たいていの人は目分量でフライパンに油を流し入れています。

油の量を減らすために、役立つのはテフロン加工のフライパンです。油が少なくても、焦げつきがなく上手に料理ができる便利なものです。

電子レンジも、油を減らす調理には活用できます。上手に使って、手軽にヘルシー料理を作って食べる習慣を身に付けましょう。料理を作るときは、とにかく「油を少なく」がポイントです。そのためには、使用する調理器具の選び方も「ちょっと、心がける」ことが、健康管理には大切です。



調味料のつけ方を工夫しよう
塩分を控えたい人なら知っておきたいしょうゆやソースのつけ方があります。普通に食品の上からかけると、ついかけすぎてしまいます。しかしそれでは無駄なカロリーや塩分を摂りすぎます。

とんかつのソース、海鮮丼のしょうゆなどをかけずに、小皿に入れて、そこにカツをつけたり、海鮮丼の刺身をつけたりしましょう。この方法だと、使うソースやしょうゆの量を約1/3に減らせます。しかもその小皿を小さめのものにしておくと、さらに効果的です。

何気なくかけているソースやしょうゆも「ちょっと、心がける」で減らせることができます。



毎日食べる食事を改善することがダイエットには大切です。中でも調理器具はおろそかにしがちなのでダイエットに役立つものを紹介します。
レシピ通りではなくて、おおざっぱな料理になっていませんか?きちんと計量をするところからダイエットが始まるといっても過言ではありません。

計量カップ
料理を作るときは、材料をきちんとはかる習慣をつけましょう。面倒だからと目分量だと、たいてい多めに作ってしまいがちです。あまった料理をお腹の中に片づけるのは、体脂肪を増やすもとなので計量カップを活用することはとても大切です。

計量スプーン
炒め物なので必要以上に油を使わないですむように、油はきちんとはかって使う習慣を身につけましょう。
醤油やソースなど調味料も決められた量をきちんとはかって味付けすれば濃い味にならないので塩分を抑えることにもつながります。

樹脂加工のフライパン
テフロンなどの樹脂加工のフライパンは、焦げつく心配がありません。魅力はそれだけではなくて、鉄のフライパンの半分以下の油で炒め物ができるのが最大のメリットです。無駄な油も脂肪になるのでぜひそろえたいアイテムのひとつです。

クッキングシート
揚げ物類を温め直すとき、クッキングシートの上にのせれば、しみ出した油を吸い込んでくれる効果があります。また、シートを濡らして魚を巻き、無水鍋で加熱すれは、蒸し焼きができるので幅広い利用が可能です。

電子レンジ
フライパンを使って油で炒めることを減らして電子レンジを活用できれば肉や魚にほんの少々バターを加えて加熱すれば、炒め物風の料理が完成します。野菜を薄切りにしてラップをかけ、レンジで加熱すれば、ノンオイルの温野菜サラダもできるので、工夫次第で油の使用量を減らせます。

オーブン
こちらも電子レンジと同様に使い方を工夫すれは、油を使わずに、炒め物や揚げ物風の料理が作れます。
素材にパン粉をつけてオーブントースターで焼くだけで、揚げずに「フライ風」の味が楽しめるでしょう。

はかり
レシピなどでたまに見かける魚の切り身を一切れといっても大きさによってカロリーは変わります。自分がどれくらい食べているか把握していますか?いつも食べているごはんや魚、肉は何グラムあるのか把握することで食べすぎを防げます。

スパゲティメジャー
スパゲティは意外とカロリーが高いです。ゆでるときはお腹が空いているはずなので麺を適当につかんでゆでるとたいてい量が多くなりがちです。
メジャーを使って量をはかる習慣をつけましょう。保蔵容器のふたがメジャーになるものもあります。

無水鍋
スプーン数杯の水で見事に青菜類がゆだってしまう画期的なアイテムです。水の量が少ないので栄養素も壊れにくく、野菜のビタミンを効率よく吸収できるのでおすすめです。




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